2021年09月06日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシアスケトウダラ協会 “投資クオータ”第2弾 資源の減少傾向に留意する必要がある]
ロシアスケトウダラ漁業者協会会長アレクセイ・ブグラクは、第6回東方経済フォーラムの漁業分科会において、”投資クオータ“の第2弾の設定に関し、主漁場となるオホーツク海のスケトウダラ資源の減少傾向に留意し、過剰な資本投資を避けることが重要だと言及した。
ブグラクは、“投資クオータ”の第2弾となる対象資源が、年間250万トンの漁獲可能量となる主にオホーツク海のスケトウダラとニシンであり、一方で特に当該海域のスケトウダラについては、科学研究機関が減少傾向に入っていることを明らかにしていると指摘、これに対応した生産体制に変化が求められることから、過度な投資を回避することが重要になってくると語った。
また、これらの環境から、第2弾では、スケトウダラ、ニシン等のTACの更に20%を対象とする計画となっているが、その割合は漁船建造プロジェクトが10%、水産加工場建設を10%とする提案は非常によいバランスだと、これを支持することを表明した。
第1弾では漁船が15%、陸上施設5%と、漁船団の更新に傾斜配分されていた。
大中規模漁船では、洋上において1次加工(H&G W/R)が効率的に行われており、これにロシア沿岸での高次加工能力を高め組み合わせることは、国内外市場への直接的製品供給を拡大させ、沿岸地域経済の発展に貢献すると加えた。
(*報告担当者 原口聖二:この点において、新規参入の新興財閥“オリガルヒ”「ロシア漁業会社」等が推進する“スーパー・トロール”建造投資、洋上フィレ、洋上すり身生産、資源寡占化路線と、中小規模漁業により就業人口を維持し、地域経済の発展等の利益を大義とする業界団体との方向性の違いが明確になっている。)
また、ブグラクは、“投資クオータ”の第2弾の開始時期については、水産加工場建設プロジェクトが来年2022年から、一方の漁船建造プロジェクトについては、まず第1弾を完了させた後の2025年からが適切だとの見解を示した。