2021年09月29日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[#1 洋上風力発電と漁業 海外の経験 洋上風力発電"まったくエコロジーではない"フランス漁業者抗議行動]
2021年9月24日、フランス北部ノルマンディー地方の漁業者らが、洋上風力発電プロジェクトにより漁獲量が減るとして抗議活動を行った。
"Reuters"が伝えた。
デモ行進のほか、現地水産当局の事務所に魚をぶちまけ、船上で照明弾をたくなどして反対姿勢をアピールしたとしている。
漁業者らは「風力発電により、魚が風で流され、漁獲量が減る」「騒音で生物が死滅する」「漁場も狭くなる」と抗議した。
漁業者のクレメンティーヌ・ルガイヤールは、英国のEU離脱、複雑な規制、そして今度は洋上風力発電所建設で、水産業界はとても”うんざりしている”と語り、当然ながら漁場が奪われ、すべてが破壊されてしまうと加えた。
また、政府は状況を理解しておらず、洋上風力発電はまったくエコロジーではないと言及、漁業者はがんじがらめになっており負担が重すぎて、もう手に負えないと述べた。
風力発電所を漁船から500m離れた場所に設置すると、200デシベルの騒音が発生し、魚類も甲殻類も死んでしまい、洋上発電はすべてを破壊するとしている。
更に、クレメンティーヌ・ルガイヤールは、洋上に風力発電所を設置することに関する政府の認識はゲーム程度のようなものだと語り、少なくとも他の国との競争に勝つため、漁獲割当を達成するための環境整備こそ政府のやるべきことだと言及した。
フランス政府は風力発電を、クリーンエネルギーと雇用創出につながるとし2027年までの稼働を目指して洋上風力発電所の建設を進めている。