ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

ロシア 四島経済活動へ免税制度 「特別な制度」困難に 北海道新聞【ウラジオストク則定隆史】

2021-09-03 20:12:36 | 日記

2021年09月04日
北海道新聞【ウラジオストク則定隆史】
[ロシア 四島経済活動へ免税制度 「特別な制度」困難に]
ロシアのプーチン大統領は3日、北方四島での日ロ共同経済活動を巡り、ロシアが設ける新たな免税制度を適用する考えを示し、日本側に受け入れを求めた。ロシアは政府主導で四島開発を進める姿勢を強めており、共同経済活動もロシア法に基づいて実施するよう、日本側に決断を迫る構えだ。プーチン氏が公の場で明言した意味は重く、日本が目指してきた「特別な制度」による共同経済活動の実現は事実上困難となり、戦略の再構築が求められる。
「前例のない特権と刺激のあるパッケージをクリール諸島(北方領土と千島列島)につくる」。プーチン氏は3日、ウラジオストクで開かれた東方経済フォーラムの全体会合でこう述べ、四島への免税制度の概要を発表。四島を含めたロシア極東を「アジア太平洋地域で最も競争力のある地域にする」と宣言した。
共同経済活動を巡っては安倍晋三前首相とプーチン氏が検討開始に合意した2016年から5年近くが経過したが、これまで観光ツアーの試験事業ぐらいしか実現していない。
新たに免税制度を提示した背景には事業の具体化が見通せない現状にしびれをきらし、ロシア政府として四島開発を着実に進める姿勢をアピールし、9月の下院選に向けて国民の支持を集める狙いもあるとみられる。
日ロ首脳は16年12月の会談で、共同経済活動が双方の立場を害さないことで一致したが、その後の交渉で、ロシア側は自国法を前提にした実施を強く要求。ロシア法に基づかない「特別な制度」を求める日本側との交渉が難航してきた。
ラブロフ外相は1日、モスクワ市内の講演で、日本が主張する「特別な制度」を念頭に「憲法が許可していない」と発言。昨年7月に発効したロシア改正憲法で領土の保全や不可侵性の確保といった理念が強化されたことに伴い、態度を硬化したとみられる。
日本政府内にはロシア法に基づく制度は日本の立場と相いれないとする原則論に加え、「あらゆる国に開かれた制度なら議論は難しい」(外交筋)と否定的な見方が強い。
一方、トルトネフ副首相はロシア紙のインタビューで、免税制度の対象に日ロだけでなく中国や韓国も挙げ、利用を呼び掛けていく考えを表明。第三国企業の北方領土への進出が進めば、帰属を巡る問題の解決がより困難になるのは必至だ。
プーチン氏が国際会議の場で、共同経済活動への適用を明言したことで、ロシア政府が「最後通告」と位置づけ、日本側に受け入れを強く迫ってくることが予想される。菅義偉首相が3日に退陣の意向を表明し、次期政権に重い課題となってのしかかりそうだ。

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第6回東方経済フォーラム ”加藤勝信官房長官 記者会見でロシアからの招待も来ていない” 「常連」だった日本の不在が際立つ 北海道新聞

2021-09-03 15:35:34 | 日記

 

2021年09月02日
北海道新聞【ウラジオストク則定隆史】
[四島免税制度の行方焦点 ウラジオで東方経済フォーラム開幕]
“加藤勝信官房長官 ロシアからの招待も来ていない”
ロシア政府が主催する東方経済フォーラムが2日、極東ウラジオストクで開幕した。プーチン大統領も参加して4日まで開かれ、ロシアが実効支配する北方四島への導入を検討する新たな免税制度について、具体策がどこまで明らかになるかが焦点となる。
免税制度は、四島に進出した企業に企業利潤税や固定資産税などを免除するほか、島内に運び込む機材にかかる関税を無料にすることなどを想定。極東を担当するトルトネフ副首相はフォーラム開幕に合わせたロシア紙のインタビューで、「ロシア、日本、中国、韓国の投資家を引き付けるだろう」と述べた。
ロシア側は四島での日ロ共同経済活動への適用も念頭に置くが、ロシア法に基づいて制度設計を進めており、「特別な制度」での実施を求める日本との協議は難航が予想される。
フォーラム初日は免税制度に関するパネル討論も開かれ、ロシア極東発展省の幹部は枠組みの一環として、四島にロシアの電子ビザ制度を導入することを提案していると説明。ただロシア政府は当初、フォーラムに合わせて制度の具体案を示すとしていたが、政府関係者は10月以降にずれこむ可能性を指摘した。
昨年のフォーラムは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止となり、2年ぶりの開催。菅義偉首相は出席を見送り、加藤勝信官房長官は2日の記者会見でロシアからの招待も来ていないと述べた。

2021年09月03日
北海道新聞【ウラジオストク 則定隆史 東京報道 古田夏也】
[日ロ関係の停滞象徴 菅首相不参加 極東経済フォーラム]
ロシア極東ウラジオストクで2日に開幕した東方経済フォーラムは菅義偉首相の出席が見送られ、日ロ関係の停滞ぶりを物語る形となった。同フォーラムは、安倍晋三前首相が毎年の訪問をプーチン大統領と約束し、現地での首脳会談は北方領土交渉の重要な機会だった。政府内には首相に訪問を進言する声もあったが、他国首脳のようなビデオメッセージさえ送らなかった。北方四島の主権問題を巡るロシア側の強硬姿勢も背景にあるとみられるが、菅政権の対ロ外交への関心の低さを印象付けた。
「数年前のような日本の存在感や注目度はなくなってしまった」。2日、会場を訪れた日本の経済関係者は、首相が参加しなかったことを残念がった。
安倍氏はフォーラム開催2年目の2016年に初参加し、日ロ間の8項目の経済協力のプランの進展に向け、プーチン氏に「年に一度、ウラジオストクで会い、進捗(しんちょく)状況を互いに確認しませんか」と提案。19年まで4年連続で出席した。
まもなく発足1年となる菅政権下で、首脳の対面会談は一度も実現していない。日本政府はロシア側から招待が来ていないことも今回の欠席の理由とするが、官邸筋は「8月上旬ぐらいまでは話題に上り、周辺から首相に出席を勧める声もあった」と明かす
ただ、首相は対ロ外交に関心が薄いとされ、新型コロナ対応や内閣支持率の低迷など「足元の内政でそれどころではなくなった」(政府関係者)。ロシア側が7月末に四島への免税制度の検討を発表するなど主権問題で強硬姿勢を強める中、外務省も首相の訪ロに慎重姿勢だったとみられる。
コロナ禍を踏まえ今回、現地入りする海外の首脳はいないもようだが、プーチン氏が出席する3日の全体会合にはモンゴル大統領らがオンラインで参加予定。中国の習近平国家主席らがビデオメッセージを寄せる予定で、「常連」だった日本の不在が際立つ
タス通信によると、ペスコフ大統領報道官は2日、首相に個別の招待状は送っていないとした上で「フォーラムは地域各国の首脳に開かれたものだ」と指摘。「日本が今後も参加することを期待する」と述べた。
対面での首脳対話が途絶える中、ロシア側は歴史認識問題などでも日本への批判を強め、行き詰まった北方領土交渉の打開も見通せない状況が続く。官邸関係者は「ロシアに対して何もしないというメッセージが伝われば、いい影響はでない」と述べ、日ロ関係のさらなる冷却化を懸念した。

 

 

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ロシア元極東発展副大臣アレクサンドル・クルティコフ 漁業界に鮮烈デビュー

2021-09-03 13:39:48 | 日記

 

2021年09月03日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[元極東発展副大臣アレクサンドル・クルティコフ 漁業界に鮮烈デビュー]

2021年1月まで極東発展副大臣を務めた*アレクサンドル・クルティコフ(Александр Крутиков)が漁業界に鮮烈デビューした。

昨日2021年9月2日、ロシア漁業庁長官イリヤ・シェスタコフ、ロシア統一造船会社代表アレクセイ・ラクマノフ、大手漁業会社“ロシア漁業会社”代表グレブ・フランク、レーニン漁業コルホーズ代表セルゲイ・タルソフ、そして択捉島“ギドロストロイ”創業者アレクサンドル・ベルホフスキーらが参加した、第6回東方経済フォーラムの枠組みで開催の漁業分野のビジネス・プログラム円卓会議“投資クオータ 2.0”のモデレータをクルティコフはいきなり務め、これを取り仕切った。

このフォーラムに合わせるように、2日前の同年8月31日、ロシア最大手漁業会社に位置付けられるグループ企業”アンテイ”(Антей)と”北西漁業コンソーシアムSZRK”(Северо-Западный Рыбопромышленный Консорциум”СЗРК”)が、投資パートナーシップ”ルイバ.RF”(Корпорация Рыба.РФ)を設立、戦略的に運営するための監査役会が設置され、クルティコフがこの会長に就任したと発表された。

投資パートナーシップ”ルイバ.RF”は、漁船建造、水産物加工、保管、製品積み替え、物流、販売等、漁業・水産分野の投資プロジェクトの構築、政府支援と資金の誘致、進行中のプロジェクトのデザイン、調査等を展開するとしている。

クルティコフは、現在、ロシア漁業が中国の新型コロナウイルス拡散防止対策による輸入制限で窮地に立たされており、これは、積み替え、保管、処理のための十分なインフラがないためだと指摘し、”ルイバ.RF”は、この課題を克服するため、漁業・水産分野の一貫した物流チェーン構築に取り組んでいくと発表した。

また、まず、ペトロパブロフスク・カムチャツキー(カムチャツカ地方)、コルサコフ(サハリン州)、ナジモフ半島(沿海地方)、そしてムルマンスクを相互接続する、流通を含めた近代的な漁港ネットワーク構築と、ウラヂオストクのナジモフ半島での製品取引に関する適正市場の設置に集中的に取り組むと加え、これらの投資プロジェクトへの参加を呼び掛けた。

ロシア漁業庁長官シェスタコフは、国内水産業のインフラ強化に加え、製品取引に関する適正市場の設置を推進する立場にあり、これらのプレゼンテーションに賛同を表明している。

*アレクサンドル・クルティコフ

1987年11月17日 モスクワ州オジンツォボ生れ

2009年 オジンツォボ大学卒業

2009年 オジンツォボ大学 革新的科学開発担当副学長

2012年 オジンツォボ副評議委員選出 オジンツォボ公共会議所議長

2014年9月 ロシア極東発展省社会経済開発局副局長

2015年12月-2016年10月 ロシア極東発展省投資プロジェクト部門長

2016年10月7日 ロシア極東発展副大臣

2020年10月27日-2021年1月12日 極東・北極圏発展初代副大臣

2021年8月 投資パートナーシップ”ルイバ.RF” 監査役会会長 同”管理会社ルイバ”代表

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ロシアに漁業・水産物流投資パートナー・シップが登場 元極東発展副大臣が監査役代表で率いる

2021-09-03 05:25:48 | 日記
 
2021年09月02日  
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二  
[ロシアに漁業・水産物流投資パートナー・シップが登場 元極東発展副大臣が監査役代表で率いる]  
2021年8月31日、ロシア最大手漁業会社に位置付けられるグループ企業アンテイ(Антей)と北西漁業コンソーシアムSZRK(Северо-Западный Рыбопромышленный КонсорциумСЗРК)は、投資パートナーシップルイバ.RF(Корпорация Рыба.РФ)を設立した。  
この組織は、2011年11月28日付ロシア連邦法No.355-FZに基づいており、漁業・水産物流投資プロジェクトの実施を目的としている。  
このパートナーシップの活動を戦略的に運営するため監査役会が設立され、代表に2014年9月から2021年1月まで極東発展副大臣を務めたアレクサンドル・クルティコフ(Александр Крутиков)が就いた。  
また、パートナーシップの管理は”管理会社ルイバ”(Управляющая компания Корпорации Рыба)が行うことになる。  
投資パートナーシップ”ルイバ.RF”は、漁船建造、水産物加工、保管、製品積み替え、物流、販売等、漁業・水産分野の投資プロジェクトの構築、政府支援と資金の誘致、進行中のプロジェクトのデザイン、調査等を展開する。  
クルティコフは、現在、ロシア漁業が中国の新型コロナウイルス拡散防止対策による輸入制限により窮地に立たされており、これは、積み替え、保管、処理のための十分なインフラがないためだと指摘し、”ルイバ.RF”は、この課題を克服するため、漁業・水産分野の一貫した物流チェーン構築に取り組んでいくと発表した。  
*クルティコフは、2021年9月2日、第6回東方経済フォーラムのビジネス・プログラムで開催された投資クオータの第2弾のあり方に関する円卓会議投資クオータ 2.でモデレータを務め、漁業界にデビューを果たした。 
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