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北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

“チェルシーFC”オーナ アブラモヴィッチはスケトウダラ漁獲割当を維持する

2021-09-24 15:26:01 | 日記

 

2021年09月24日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[“チェルシーFC”オーナ アブラモヴィッチはスケトウダラ漁獲割当を維持する]

サハリン州仲裁裁判所は、ロシア独占禁止庁の申し立てを退け、ユダヤ系ロシア人の石油王で英国プレミアリーグのチェルシーFCのオーナ、オリガルヒ(新興財閥)の*ロマン・アブラモヴィッチが関与する年間約1万トンのスケトウダラの漁獲割当を維持する判決を下した。

同裁判所は、独占禁止庁の主張が、訴えを完全に満たすものではないとしている。

独占禁止庁は、アブラモヴィッチらが経営する“ダリニイ”(Дальнее)社所有のサハリン州企業“ポロナイ”(Поронай)に漁獲割当を譲渡した企業自体が、違法な状態で実質的に外国資本管理を受けており、外国人投資法に抵触していることから、取引自体が無効だと指摘、“ギドロストロイ”(Гидрострой)社創業者で元上院議員のベルホフスキーも本件の関係者だと一部伝えられた。

独占禁止庁が、サハリン州仲裁裁判所に申し立てを行ったことから、同庁の主張が認められた場合、当該漁獲割当が、ロシア政府に一度返還され、オークションにより再配分されることが予想されていた。

“ポロナイ”は、2020年、“サリュート”(Салют)社から漁獲割当を譲渡された。

今年2021年の“ポロナイ”のスケトウダラの漁獲割当は、オホーツク海で1万880トンとなっており、製品市場価格は約7億5,000万ルーブルと見積もられた。

“サリュート”は、“エカルマ”(Экарма)グループの“アイルプ”(Айруп)社から分離独立する形で設立された。

2019年、独占禁止庁は、“アイルプ”が外国人投資の違法な管理下にあることを摘発していた。

2015年から“アイルプ”の資本の49%は、韓国企業“Myungsung Fishery”となっているが、独占禁止庁によると“アイルプ”の製品の主な購入者は同韓国企業であり、“アイルプ”の統制、権限を妨げていると指摘した。

このことから、独占禁止庁は、“アイルプ”が合法的に“サリュート”に漁獲割当を譲渡することは出来ないと説明していた。

*ロマン・アブラモヴィッチ(Роман Аркадиевич Абрамович) 

1966年10月24日生まれ。ユダヤ系ロシア人の実業家。石油王。投資会社“ミルハウス・キャピタル”のオーナであり、“オリガルヒ”(新興財閥)の一人。また、チュクチ自治管区知事を務めた。“フォーブス誌”によれば、187億ドルの純資産を所有。英国プレミア・リーグのチェルシーFCのオーナ。

報告担当者 原口聖二:

2021年7月、ロシア大統領プーチンは、外国人資本参加規制強化法に署名している。

同法は“国防•安全保障戦略産業に対する外国人投資手続法”(外国人投資法)を改正、漁業分野の外国人資本参加の事前承認の義務付け上限を、50%から25%とする規制強化を目的としている。

これまで、ロシア漁業分野における外国人投資は、2008年4月29日付ロシア連邦第57-FZ号”外国人投資法”に基づき、資本の50%以上となる場合のみ、政府委員会の承認が必要とされていた。

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