2023年03月21日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア漁業庁 漁業分野における中国との接近 良好な関係をアッピールする]
ロシア漁業庁は、中国国家主席習近平の訪モスクワに合わせるように、同国との漁業分野における接近、良好な関係をアッピールする広報を2023年3月21日行った。
中国は依然としてロシア産水産物製品の主要市場となっている。
極東海域のスケトウダラ、ニシン、太平洋サケマス等、原料ベースの製品ばかりでなく、フィレ、ミンス、そして、ニシン、イワシ、スプラット、サケマス、カニ等の缶詰、最終製品の輸出も拡大している。
また、同国への輸出にはコイ等の淡水魚、ミール等も含まれている。
昨年2022年、ロシアの水産物の輸出量は230万トン、金額ベースで61億ドルだった。
この内、同国への輸出量は56万6,000トン、金額で15億ドルを占めた。
更に、中国との関係は、貿易ばかりでなく協力拡大を続けている。
2022年3月7日-10日、第31回ロ中漁業委員会が、マカオとの国境に位置する中国の珠海において、対面”リアル”で開催され、交渉が妥結した。
同委員会は1988年10月4日付ソ中政府間漁業協定に基づき開催された。
アムール川とウスリー川の境界域におけるチョウザメ等の資源の保護、管理、取締活動のほか、ロシア産水産物の輸出入手続きの簡素化に合意している。
加えて、IUU漁業防止協定に基づき、密漁密輸の封じ込めに関する協力を長年にわたり行っている。