2023年12月26日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア スケトウダラ漁業高次加工 フィレからすり身へ軸足を移す]
ロシアのスケトウダラ漁業における高次加工は、フィレからすり身へその軸足を移し始めた。
今年2023年、ロシアのスケトウダラ製品輸出は、前年2022年比13%増の88万トン、12億ドル相当に達すると見積もられている。
欧州のフィレの需要と価格の低下から、高次加工製品の生産は、すり身へ軸足を移すほか、低次加工のH&G(ドレス)の増産に回帰を始めている。
この結果、H&Gは8%、W/R(ラウンド)が53%、すり身が3倍、それぞれ増加し、これらが輸出量の75万2,000トンを占めた。
また、ロシア国内市場へのスケトウダラ製品の供給量は、前年2022年比30%増の24万トンに達すると見積もられている。
今年2023年漁期、ロシア漁業者によるスケトウダラの生産量は同年12月11日までに190万トンを超えており、同年末までには前年2022年比4%増の198万トンに達すると予想されている。
(報告担当者 原口聖二:EU理事会は今年2023年11月27日、改定による2024年から2026年の新たな自主関税割当(ATQ)制度から、ロシア産の主要なスケトウダラ等の白身魚を含め水産物製品を除外することを全会一致で決定、来年2024年1月から、現在のEUの輸入免税はなくなり、13.7%の標準関税が課されることになっており、ロシアのスケトウダラ漁業における高次加工は、益々、すり身生産に傾注、アジア市場を目指すことになると予想される。)