夏を思わせるような天気も昨日までで、今日は冷たい雨が降っている。
今が盛りの菜の花も、五月晴れには映えていたが、今朝は雨に濡れて寒そうだった。
今シーズンの椎茸は、天候不順にもかかわらず、去年よりはたくさん取れた。
ほだ木の数を増やしたこともあるが、雑きのこの繁殖が少なかったことが理由のようだ。
天候不順も時には思わぬ良い結果をもたらすこともある。
生で保存は出来ないので、今年初めて干し椎茸を作ってみた。
形が大きいので、適当な大きさに刻んで、波型トタンの上に広げて2日間干したら、良い具合に仕上がった。
きっとおいしい出しも取れるし、保存が利くので、当分は煮物や汁の具にも使えそう。
春は湿度が高く、干し椎茸作りは不向きといわれているが、これも思わぬ夏日がくれたプレゼントだ。
自然には逆らえないが、寄り添っていれば良い事もあるようだ。
近所の人から、新しいミツバチの巣桶をいただいた。
サワラの幹をくり抜いて作った立派な桶は、女王蜂や働き蜂たちのスィートホームにふさわしい風格がある。
桶の下部には微妙な大きさの口が開けられていて、ミツバチは自由に出入り出来るが、天敵の大スズメバチは入れない。
出入り口の周りに蜂蜜を塗り、大木の根元や岩場など、ミツバチが集まりやすいところに置いておく。
直射日光が当たらず、木漏れ日が差すぐらいの所で、きれい好きのミツバチがゴミを運び出したり、異物が入り込まないように、出入り口にやや傾斜を付けて置くように教わった。
地面に置くとガマガエルが、細くて長い舌を使って蜜を舐めたり、ミツバチを捕食するので、60センチほどの高さに保つ必要があるとのことだ。
桶の材質や蜂が巣をかけ易いようにした内部の構造、出入り口、置き場、天敵の防除策など、長い経験に基づくノウハウにはいつも感心することが多い。
知恵の集約された巣桶も、ミツバチが入ってくれなければ、蜂蜜の採取は出来ない。
最近は、どこでも見かけた日本ミツバチの姿が、めっきり少なくなったように思う。
理由は、西洋ミツバチの勢力拡大や、車の排気ガス、農薬などが上げられるように、自然と共生できる環境が失われていったからだろう。
山奥まで大規模林道や農道の開通や観光開発など、ミツバチの安住の地は狭まっていく。
巣桶の盗難も相次ぎ、山里の人たちのささやかな楽しみを奪うなど、ミツバチの受難は収まりそうにない。