今日の飛騨地方は天気が不安定で、薄日が差したり、突然雨が降り出したりの繰り返しだった。
野良仕事をしていても、その度に中断して雨宿りをするので、能率が上がらない。
昨日の続きの畦塗りの補修をしていたら、隣の田んぼのおばあさんが要領を教えてくれた。
年季の入った技を簡単に習得するのは難しいが、ぼそっと漏らす一言二言が、ヒントになるのでありがたい。
おばあさんは、明日田植えをするということで、田に浮いた藁くずや枯れ草などを丁寧にすくっていた。
買う苗は弱いので、ごみが付着すると、倒れたり育ちが悪くなるので、取り除かなければならないとのことだ。
参考書はたくさん出ているが、その土地に適した方法は、そこで見聞きしたことが一番役に立つ。
田んぼの仕事が終わったところで、中断していた畑の作業に移った。
すでに耕してある畑に畝を立て、雑草と小石を取り除いて、例年通り3面の畑が出来上がり、その上にマルチを張った。
マルチは、地温や湿度を保ち、雑草の繁茂を抑える効果もある。
ここは高冷地で、まだ遅霜や低温の心配があるので、夏野菜の定植は少し先になるが、畑の準備だけは完了した。
いつもなら大汗をかく仕事であったが、今日は肌寒く肉体労働には、持って来いの天気であった。
畑の脇の山ウドが、知らぬ間に大きくなっていた。
さっそく初物の一本を採って、今夜のおかずの一品に加えることにした。
皮を削ぎ、真っ白な身を短冊に切り、味噌をつけて食べると、春の香りがいっぱい漂ってくる。
今夜も、簡単料理で満足できそう。