いつも水面で休んでいる鴨の一家が、6羽に増えていた。
水を張った田んぼは、天敵のキツネやイタチに襲われることが無いので、安心して子育てが出来るようだ。
昨日までは乾燥注意報が出ていた上に、初夏の強い陽射しで皮膚も畑も乾き切っていた。
定植した苗に水をやっても、瞬く間に大地が吸ってしまう。
ただでさえ潤いの無い顔や手が、干し椎茸のように干からびてしまった。
今日は、久しぶりの雨が大地や肌を潤してくれた。
恵みの雨は、苗を逞しく育て、木々の緑を瑞々しくし、乾いた肌もしっとりとさせてくれる。
田んぼの仕事も、田植えを待つだけとなり、今日はちょうど良いタイミングで、雨の休養日となった。
田に入っていると、お昼や夕方近くに猛烈にお腹が空いて、ふらふらになることがある。
子供の時以外に、激しい空腹の経験はあまり無いが、そんな時は、浅ましいことに食べ物のことで頭がいっぱいになってしまう。
農繁期は1升飯を食うと言われているが、その気持ちが良く分る。
トラクターの力を借りても、田の隅を起こしたり、やり残した所は人力でしか出来ない。
泥に足をとられながら、鍬を打ち込む仕事は、かなりハードなトレーニングに匹敵する。
ジムの筋トレやランニングは、度々3日坊主を味わっているが、田んぼの筋トレが続くのが不思議でならない。
野良仕事は、待った無しで次々とメニューが出てくるので、途中で投げ出すわけには行かないからだろう。
また、秋の収穫という目標がはっきりしているから、モチベーションが維持出来からかも知れない。