立秋を過ぎて、夜明けの時間が少しずつ遅くなり、5時になってようやく辺りが明るくなってくる。
東の山から太陽が顔を出すのは7時ごろだが、今朝は日の出前に朝焼けで空が赤く染まっていた。
ここで見る朝焼けは、濃い絵の具を塗ったようで、夕焼け空のような爽やかさは無いが、気持ちを奮い立たせるようなエネルギーを感じる。
朝焼けは天気が崩れると言われているが、これは当たらないようだ。
今日一日は雨が降ることも無く、うす曇で過ごしやすかった。
実りの秋が近づき、イノシシの動きが活発になってきた。
農道や休耕田が掘り起こされ、田んぼの近くで足跡を度々見かける。
まだ稲に実が十分入っていないので、田は荒らされていないが、警戒は怠れない。
今日も近くに仕掛けられていた箱罠に、大きなイノシシが入っていた。
今シーズンも20頭ほど捕獲されているが、今日のイノシシは丸々と太った大物だった。
100キロほどありそうで、4人がかりでやっと軽トラの荷台に積むことが出来た。
哀れな姿を見るのは忍びないが、イノシシの被害は深刻で、山里の農業を守るためには止むを得ない処置である。
もし、この1頭が田んぼに入ったら、半年の苦労がすべて無になるし、やる気をなくして耕作を放棄することにもなりかねない。
趣味や楽しみで野生動物をターゲットにするハンターもいるが、山里の猟師は犠牲になった動物の霊を慰めながら、使命感に燃えて被害を食い止めている。