連日の猛暑を尻目に、山里では実りの秋の兆しを目にするようになった。
山栗の実がいつの間にか大きく育っている。
裏山には何本も自生しているので、来月の下旬には栗拾いが出来そうだ。
くるみもピンポン玉ほどの大きさになり、これも間もなく実を落とし始める。
柿も青い実をたくさん付けているが、今年は豊作になるのだろうか。
稲も好天続きで順調に育ち、青かった籾も黄みを帯び、やがて黄金色に変わっていく。
山の木の実が豊作なら、動物たちは里まで下りて来ないが、今の時期は餌不足で活発に動いている。
捕獲おり
昨日は近くに仕掛けてあったイノシシの捕獲おりにツキノワグマが入り、市の職員が山に放つためおりを開けたところ、クマに襲われて怪我をした。
興奮したクマに、恩を仇で返すつもりは無かったろうが、専門職としてはちょっと油断があったようだ。
乗鞍岳畳平付近で、クマの目撃情報が相次ぎ、棲息場所とされる魔王岳が入山禁止になっている。
昨年は畳平バスターミナルでクマに襲われ、観光客や店の従業員に怪我人が出たのは記憶に新しい。
今日の朝刊に、岐阜県で有害捕獲されたイノシシが4.000頭を越して、過去最多と報じていた。
高山市も5年間で3.6倍に増えて、農作物の被害も急増している。
山間地の人口が減少して、田畑の作物が取り易くなり、山に広葉樹を増やして餌場を作っても、里の味を覚えた動物たちは繰り返しやって来るという。
本来、人目を嫌うはずの野生動物の行動が、少し様変わりしてきたようだ。
荒廃した山に十分な餌が無い上に、草刈場など人の出入りが多く、見通しの良い緩衝地帯が無くなって、動物も安心して田畑に侵入できるようになったことが被害を大きくしている。
人との接触を恐れなくなった動物が増えたり、作物や残飯を漁る姿がこれ以上増えたら、山里の人たちは安心して暮らせない。
今朝、畑へ収穫に出かけたら、甘いメロンの香りが漂ってきた。
近づいてみたら、案の定、食べごろの2個が何者かに食べられていた。
周りを網で囲ってあり、破られたり穴を掘られた形跡も無いので、犯人はわからない。
相変わらず行儀の悪い食べ方をされ、これでは丹精込めて作った甲斐が無い。
他の作物は無事で、食べ切れないほどの収穫物は、町の人に食べてもらうことにした。