凱旋ではないけど(千島徹)

昨日はJ2の日で、国立競技場で東京V対愛媛というカードがありました。私は行きませんでしたが、浦和から愛媛に完全移籍した千島徹選手が、途中出場で出ていたようですね。天皇杯で浦和と当たりでもしない限り、凱旋とは言えませんが、とりあえず出番を得ていることは嬉しかったです。

それでは、浦和時代の千島の思い出を少々。

千島は浦和レッズユースの出身の地元選手で、2000年のJ2時代の浦和に入団し、もっぱらサテライトで腕を磨いてきた選手です。トップ出場歴の割には長く浦和に在籍したのは、この「サテライトでの結果」が効いていたのです。サテライトで千島を見ると、多彩なシュートテクニックやドリブルがあって、非常にいい選手に見えます。

ただ、それがなかなかトップでの結果につながりませんでした。千島にとって最大のチャンスは2003年で、FW4番手の立場でしたが、出場停止の多いエメルソンの代わりにベンチに入ることの多い年でした。ナビスコ杯FC東京戦で決めた、浦和での唯一のゴールは、セットプレーのこぼれ球を頭で合わせた、彼にとっては珍しいパターンのゴールです。

特にアピールチャンスだったのは、リーグ戦の終盤、エメルソンが警告累積で2試合出場停止になったときでした。千島はベンチ入りし、清水戦で9人の相手を3トップで攻めるという絶好の展開でした。しかし、千島は気負いすぎたのか、ノーゴールに終わり、9人の相手に0-1で敗れるという最悪の結果に終わってしまいました。

次期監督のギドは、アドバイザーとして浦和を見ていました。清水戦を見ていたかどうかはわかりませんが、千島が結果を出せなかったことで、「スーパーサブが弱点」という結論に至り、岡野を補強されてしまいました。それからは、出番を得られず、J2愛媛に完全移籍という結果になりました。

あのサテライトで見せた技術を、もう一度J2の舞台で発揮し、一年でも長くプロ生活を続けて欲しいものです。愛媛のサポーターに「千島はいい選手だ」と言ってもらえれば、きっと浦和のサテライトでプレーするより充実感はあるはずです。