テクニックで見せた差(11/12シンガポール対日本)

今日のシンガポール戦、3-0と無事勝利できたことは嬉しいです。格下相手の試合は、まずは勝ち点3という結果を出すことが大事なので、それを達成できたことは喜びたいです。

その勝利の要因としては、シンガポールに対し、日本がどこに優位性を持っているか、選手たちが理解していたことだと思います。簡単に1対1で抜いたりボールを奪ったりしているように見えた日本の選手ですが、体力的にはそれほどの差ではなく、技術が大きいと思います。

それを見せていたのは、得点を決めた金崎であり、本田圭佑でもあります。わざと半身の形で相手をブロックしておいて、スピードを殺さずに走り切るという本田圭佑のプレーに見られたように、わずかな体力の差をより大きく見せるようなテクニックが効いていたと思います。

大抜擢の1トップ、金崎は頑張りました。トップ下からボランチに転向する選手はたくさんいますが、トップ下からFWに転向する彼のようなケースはまれです。もっとも、スピード型FWと比べても負けないようなスピードを生かすテクニックを彼はたくさん持っており、オフサイドにかからずに抜け出したり、先制点のようにダイレクトボレーで叩くような技術も持っています。

シンガポールは最初は4-1-4-1気味にして、サイドにウイングを置いて日本のSBを上がらせないようにするプランに見えましたが、次第に日本のダイレクトプレーに対応できず、ウイングが下がって4-5-0-1になってきました。こうなれば、カンボジア戦のようにSBをウイングに使う、日本の2-4-2-2という攻撃的な布陣も可能です。圧倒的に支配し、負ける可能性はゼロだった試合のように思えます。

もちろん課題はあり、後半に足が止まったことです。シンガポールの熱帯気候の前に、さすがの日本も90分はその攻撃サッカーを出せない、それは仕方ないことにも思えます。今回は2点早い時間でリードしていたので、無理せず後ろで回しても大丈夫でしたが、代表のポジション争いを意識して無理に点を取りに行ったので、今回のような間延びした印象のサッカーをすることになってしまいました。

これで、シンガポールの予選突破の可能性をほぼ消し、この組は日本とシリアの一騎打ちです。シリアがアウェイ戦続きでどこまで勝てるかはわかりませんが、日本の予選突破はある程度見えてきたのではと思えます。