辛くも振り切る(6/7天皇杯浦和対関西大学)

今日の天皇杯2回戦、浦和対関西大学戦は、延長前半の伊藤敦樹のゴールが決勝点になり、1-0で浦和が辛勝しました。この試合はリーグ戦の鹿島戦から中2日の強行日程だった影響で、浦和は思い切ってリンセン以外の先発メンバーを全員入れ替えてきました。できれば、90分で、可能ならベンチスタートにしている大久保やホイブラーテンを使わないで勝ちたかったでしょうが、それはどちらも叶わない結果でした。

そうなった要因は関西大学のシンプルなサイド攻撃でした。関西大は浦和のプレスが来るとなかなかボールを保持するのは難しかったですが、少しでもフリーになれれば、中長距離のパスをサイドまで通せるチームでした。この攻めで、前半はシュート数やCK数では浦和を上回るなど、スコアこそ0-0だったものの「いけるぞ」という感覚だったでしょう。

これに対し、浦和は左MFでスタメン出場したリンセンのところがネックになりました。右サイドのモーベルグと馬渡のところはパスが回っていましたが、左サイドはリンセンがサイドに張っていられないタイプなのでなかなか使えませんでした。見かねたスコルジャ監督は、小泉を左MFに回し、リンセンとカンテの2トップ気味にしますが、リンセンがなかなかシュートを決められず苦戦は明らかでした。

最初はメンバーが若い関西大の勢いを感じましたが、そこはプロと大学生の体力の差は次第に出てきます。後半になってくると関西大は攻め切れなくなってきて、FWが単独で前に行くしか攻め手がなくなってきました。浦和も、モーベルグに代わって途中から出てきた大久保を軸に右サイドを崩しに行きますが、大久保のシュートはなかなか決まらず延長戦になります。

延長戦では、久しぶりの実戦になった犬飼が、90分を超える出場時間になったことで足をつり、延長戦の6人目の交代枠でホイブラーテンが出る総力戦になります。ホイブラーテンはさすがにこういう試合の戦い方はわかっており、難しいプレーをせずに確実に流れを切って、関西大にチャンスを与えない戦い方をしました。こうなれば押し気味の浦和にゴールが生まれるのは必然でした。

最後は、荻原のクロスからの明本のシュートが相手DFに当たったところを、伊藤敦樹がセカンドボールを押し込んで、苦しんだ浦和は1-0とこのゲームを辛勝しました。これほどの苦戦で、120分出た選手は日曜日の横浜FC戦で起用できなくなるなど犠牲も払いましたが、それでも天皇杯というタイトルに望みをつなぐことができました。後で効いてくる勝利になるかもしれません。