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BASEBALL馬鹿 BLOG

オレたちの「深夜特急」~インド編 アフマダーバード 7 ~

2020-12-21 22:01:57 | オレたちの「深夜特急」
一度、負のマインドに落ちると元に戻すのは困難だ。バックパッカー的に言えば、バッドに入った。つまり、そんな感覚である。黄昏のアフマダーバードで突如として里心がつき、宿に戻っても気持ちは晴れなかった。それどころか、気持ちはどんどん沈んでいき、食事に出るのも億劫だった。宿は比較的涼しく、居心地は悪くなかったが部屋は暗く、それほど清潔ではなかった。ベッドに寝転んでいると、どこまでも沈んでいきそうだった。 . . . 本文を読む
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オレたちの「深夜特急」~インド編 アフマダーバード 6 ~

2020-11-01 22:21:20 | オレたちの「深夜特急」
インド西部のアフマダーバードは19時半を過ぎても、まだ明るい。西陽は強く、いくらか涼しくはなったものの、まだまだ相当に暑い。宿に帰る帰路、バザールを歩いていると突如、無力感に襲われた。日本を出て半年になるが、それまで一度もそんな思いが湧いてきたはなかったと思う。それは望郷ともいえる、里心だった。 「日本のビールが飲みたい」と思い始めると、その気持ちの綻びはまるで感染症のようにじんわりと広がってい . . . 本文を読む
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オレたちの「深夜特急」~インド編 アフマダーバード 5 ~

2020-08-30 20:26:51 | オレたちの「深夜特急」
若きカップルの婚礼パレードに加わったわたしは見よう見真似で踊り、声をあげた。時折、自分の背後に鎮座する新郎、新婦と目があい、共に笑い合った。新郎と新婦は初々しくもあり、また幸せそうだった。また多くの人らが彼らを祝福をした。パレードに参加している人だけでなく、バザールを往く人々らも新婚の者たちに手を振ってお祝いした。その光景を見ていると、わたしのような単なる旅人でさえ、幸せな気持ちになった。 一体 . . . 本文を読む
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オレたちの「深夜特急」~インド編 アフマダーバード 4 ~

2020-07-19 22:28:34 | オレたちの「深夜特急」
結局、一睡も出来ないまま朝を迎えた。部屋の温度は夜中も一向におさまる気配はなく、階下のインド歌謡も朝方まで大音量で聞こえてきた。わたしは途中で眠る努力をやめて、本を読むことにした。そうして気がつくと朝になっていた。わたしは階下に降りて、近所のチャイ屋に出かけた。 一杯のチャイを飲んだら、気持ちは落ち着いた。ご飯を食べたら宿を変えよう。また、睡眠不足が重なって体調を崩したら元も子もない。 宿に戻 . . . 本文を読む
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オレたちの「深夜特急」~インド編 アフマダーバード 3 ~

2020-06-15 17:26:26 | オレたちの「深夜特急」
懸案だった、盗難防止のための錠前をようやく購入したものの、今度は宿探しをしなければならないと思うと気持ちは重かった。しかも、外はカンカン照りで、重いザックを担いで歩きまわるのは難儀なことだった。 とりあえず、何か飲むか。あまりの暑さにチャイはもう飲む気がせず、道端で商いをするキオスクに行き、「サムズアップ」はないかと尋ねた。「サムズアップ」はインド版のコーラで、コカ・コーラよりも安価に売っていた . . . 本文を読む
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オレたちの「深夜特急」~インド編 アフマダーバード 2 ~

2020-05-06 17:56:14 | オレたちの「深夜特急」
仕方ない。立ちしょんでもするか。 . . . 本文を読む
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オレたちの「深夜特急」~インド編 アフマダーバード 1 ~

2020-03-30 17:49:19 | オレたちの「深夜特急」
アフマダーバードという地名はいかにもムスリムを想起させ、インドとは異なる世界をおおいに掻き立ててくれる。それもそのはず、ムスリムの男性の名前を意味するアフマダ、そのアフマダの街と訳される地はムスリムが約2割にも及ぶという。パキスタンの国境に接するカーティヤーワール半島はまさにムスリム世界とのグラデーション状を形成しているように思えた。 . . . 本文を読む
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オレたちの「深夜特急」~インド編 ウダイプル 7 ~

2019-09-15 20:50:40 | オレたちの「深夜特急」
チャッパルをはいて外出すると、また一つ自分が自由になれた気がした。 . . . 本文を読む
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オレたちの「深夜特急」~インド編 ウダイプル 6 ~

2019-08-25 21:24:17 | オレたちの「深夜特急」
ウダイプルは静かな町だった。 アーグラーやジャイプルといった喧騒の街を通りすぎてきた者にとっては、物足りないほど静かだった。しかも、街はインドとは思えぬほどに美しい。ゴミがあちこちに捨てられているデリーやアーグラーとは全く違っていたし、湖面の風が爽やかなのか、気温もそれほど高くなかった。それでも35℃は越えていたと思うのだが、十分に涼しかった。 バザールを通りすぎ、ピチョラー湖に出た。湖の真ん . . . 本文を読む
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オレたちの「深夜特急」~インド編 ウダイプル 5 ~

2019-06-16 09:04:09 | オレたちの「深夜特急」
インドの西部にあるラジャスターン州でも、4月の終わりともなれば、5時半には明るくなってくる。わたしは起き上がり、チャイ屋を探した。バスターミナルには少しずつ、長距離バスを待つ人々が出てきた。それに合わせて、チャイ屋も出ているはずだ。 予想通り、バスターミナルの入口にチャイ屋はいて、曲芸のようにチャイを淹れていた。 「チャイを一杯」と言って2ルピーを渡すと、店のおやじは「4ルピーだ」と返した。わ . . . 本文を読む
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