某団体幹部との会合のため、H常が予約したのが新宿にある「魚米」という店。
多分、ネットを駆使して、予約したのだろう。いかにもH常らしいお店である。新宿の一等地にある地下のお店。5名定員のテーブルに押し込まれた我々7名は、とにかく窮屈な姿勢で酒を飲み始めた。
当然、社長は機嫌が悪い。
社内だけの会合ならまだしも、団体幹部を接待する席で、このような狭いスペースを予約する神経にいら立っている。
店はだいぶ繁盛しているようで、満員である。しかし、店も店である。7名と言っているのに、この5名テーブルに予約を入れるのもどうかと思う。
本来、ボクはこの席にいる必要はないのだが、A藤君が「是非」というので来た。この狭いスペースということを知っていたら、ボクは来なかっただろう。文字通り、肩身が狭い。
メニューを見ると、「朝獲り」なる文字が強調されている。どうやら、朝に獲れた魚を仕入れているらしい。ホルモンの店で、朝にしめた肉を仕入れてウリにする店をよく見かけるが、果たして魚の世界でそれは可能なのか。
この「魚米」という店舗は、飲食店のチェーン展開で近年、名を馳せるエーピーカンパニー。「じとっこ組合」や「塚田農場」といった店舗を運営している。その本部が魚中心の業態を展開しはじめた。それが、どうやら、この「魚米」という店舗らしい。この運営会社が、既存の居酒屋と違うのは、仕入れであることは、組合や農場といった店舗名からも伝わってくる。卸業者を省くことで、コストを下げ、よりスピーディーに仕入れをするのだろう。店舗名には新鮮なイメージが感じられる。
その手法を使って、魚の店舗にも流通の革命をおこしたらしい。前述した「朝獲り」である。漁協と手を組んだのか、それとも漁師からダイレクトに仕入れるのか、具体的な手法は分からない。けれど、いずれにしても、仲買を経由しない仕入れは画期的なことだ。コンスタントに仕入れができるのか、非常にリスキーなのだが、そのリスクを負いながら、チャレンジすることは素晴らしい。
ただ、残念なことに、ボクには、朝獲りを感じる舌がない。
「これは朝獲りです」
と言われても、「さすがにうまい」と言える味覚を持ち合わせてはいないのだ。
結果的に「朝獲り」はコスト高になるのではないだろうか。更に言えば、フードマイレージ的には、環境に悪いのではないだろうか。
少なくとも、ボクには、そのニーズはない。
紺や接待の場だから、魚の味もよく分からないし。ただ、鰯の頭も信心からと言うように、「朝獲り」というバイアスがかかっていたことは、間違いないかも。
メンバー全員が「うまい!うまい!」って。そういうブランドイメージにボクらは弱いってことなんだね。
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