前回は品川の港南口にある「跳魚」の刺し盛りを紹介したが、どういう因縁か、今度はホルモンの刺し盛りにありつくことができた。
草野球の帰り道。午後2時。
どこかで酒を飲もうかと思案した。
亀戸にでも行ってみようかと考えたが、何故か錦糸町でボクは降りた。
特に理由もなく、ただなんとなく。
もしかすると、気持ちの中には錦糸町に行けばなんとかなるだろうという思いがあったのかもしれない。
錦糸町を降りて、そのままJRAの方に向かった。
その日はフェブラリーステークスの開催で、錦糸町は多くの人で賑わっていた。
JRAのビルの周囲をぐるりと回ってみようと思って歩いていると、なんだかにぎわった酒場を見つけた。
それが「馬力」だった。
そういえば、大学の同窓のヒロがこの店を絶賛していた。ボクは神田の「馬力」に行ったことがある。たいした店でないと思って、ヒロの言うことを半信半疑で聞いた。
だが、この錦糸町の「馬力」はとりわけ活気がある。
ボクは入ってみることにした。
立錐の余地のないほどの人の入りだったが、カウンターにひとつだけ席が空いていた。
ボクはそこに腰かけ、周囲をうかがいながら、他の客が何を飲んでいるかをチェックして、ホッピーがあることを確認してから、急いでボクは「ホッピーセット」を注文した。
多くの客が頭上のテレビを眺めている。CSの競馬中継。
「馬力」という店名は競馬ファンにとって縁起がいいのだろう。
さて、つまみをどうするか。
焼き物にするか、それとも一品ものにするか。
店内に張りめぐらされたメニューをぐるりと見てみる。
ものすごいメニューの数だ。
ふと隣に座るおじさんの皿が目についた。
すごい量の刺し盛りだった。
ひとりでは食べきれないくらいのボリュームである。
きっと高価なんだろうな。
ボクは値段を確かめようと、店内のメニューを探すのだが、刺し盛りのメニューは見当たらない。そこで、隣のおじさんに聞いてみることにした。
「それなんですか?」
「あっ、これ『生ホルモン』だよ』。
そのまんまじゃん。
メニューの水準をみるとそれほど高くない。きっと、この「生ホルモン」もそんなに高くないだろう。
いったとしても1,000円くらいか。
ボクは、おじさんのお皿を指して、「これと同じものを」と店員に注文した。
店員は「『生ホルモン刺し盛り』ね」と言った。
なるほど、正式名称はそういうのか。メニューを見て、確認するとなんと619円だった。
やがて、運ばれてきた「生ホルモン刺し盛り」。
これで619円は安すぎるというボリュームだった。
タンにレバー、コブクロ、ハツ、そしてガツ。
ねぎが添えられ、胡麻油ににんにく、しょうが。ホルモン刺しをうまく食べられるものがここには全てあった。
早速食べてみる。
すげぇ。こりこり。ぴちぴち。
うまし。
うますぎる。
これだけあれば、もう何にもいらない。
隣のおじさんとはその後、話しが弾んだ。
20歳のときに東京に出てきたというおじさん。
いろいろといばらの道があったようだが、休日に錦糸町で競馬に興じ、昼から酒を飲んでいるということで、なんとなく納得できる。
きっと、この店に集う人たちは一癖も二癖もあるのだろうな。
おっと、もしかして、自分もそのうちのひとりか。
静岡の電気がまです。
「馬力」さんの刺し盛り、美味しそうですね。
来週また東京に行くのでのぞいてみたいと思います。
夏場ですがまだ同じ「生ホルモン刺し盛り」は食べられそうでしょうか?
期待が大きいです。
いつも、ご訪問ありがとうございます。
また、来週東京ツアーに来られるとのこと。
いいですね~。
ぜひとも、「生ホルモン刺し」を堪能していただきたいと思います。
さて、ご質問ですが、正確な情報は分かりません。ただ、知人情報によると7月でも食べられたとのことです。
すっきりとした回答ではなく、申しわけございません。
「馬力」はチェーン店ですので、ツアーの行程によっては、錦糸町以外でもOKと思いますが、雰囲気は断然、錦糸町がグッドです。
ご報告を楽しみにしております。