なんと美しい店名なのか。麗しき郷。
台湾にある地名かと思って調べてみたが、出てこなかった。風光明媚な台湾の風景が目に浮かぶ。
台湾には一度だけ行ったことがある。台北と九份を往復するだけの小さな旅。ほぼ食べて飲むだけの旅。
でも、その目的を十分すぎるほど全うしたと思う。台湾は強烈においしかったのだ。
このブログで何度も唱えている中華最強説。その中でもとりわけおいしかったのが、台湾だった。
だから、この日、怪鳥が連れてきてくれた道玄坂の坂の途中にある「麗郷」を前にして、ボクの心は躍った。煉瓦造りの瀟洒な構え。
この店、只者ではないことを、若干の威圧感を持って示している。
店に入ると、ものすごい熱気にあおられた。一瞬のうちに八角の香りに包まれた。その香りはボクの中枢神経を一瞬のうちに麻痺させる。その瞬間、ボクの食欲にスイッチが入る。
たまたま、恐らく本当にたまたまだろう。一つだけテーブルが空いており、ボクらはなんの苦も無く座る場所を確保した。
店をうかがうと、否応なく目に飛び込んでくるのが、腸詰だ。それが厨房にいくつもぶら下がっている。その眺めたるや壮麗。いや流麗。いやいや華麗。
その腸詰から、このなんとも食欲をそそる香りが出ていることは、もう間違いない。
何が何でも腸詰だ。
そうして、ボクらは座るや否や、香腸、つまり腸詰(800円)を注文した。そして飲み物は紹興酒をボトルで。
一気にボクらはフルスロットル。
腸詰が、これまた傑作だった。
パクチーがほどよくのっている。素晴らしいじゃないか。もりもりと食べてしまい、ボクらはまた追加した。
紹興酒のボトルといえば、ボクらはいつか麻布の中華料理屋エリートで、紹興酒のボトルをがぶ飲みした。ボクはへろへろになったのは、もう4年も5年も前か。
今夜も紹興酒。メニューを繰って、食べ物を眺めていると、その膨大なメニューに眩暈すら感じてくる。
すごい。これはすごい。
蟹。2,000円。
唐墨。4,000円より。
いつか、いっぱい金を持って、絶対にここに来よう。そう思わざるをえないため息をちょっとついてみる。
「麗郷」は、渋谷のいわゆる恋文横丁に店を構えていたという老舗。恐らく戦後間もない開店だったのだろう。渋谷の歴史とともに歩んできた同店は、やはり由緒正しき台湾料理なのだと思う。つまり、間違いない店だと。
その後ボクらはビーフンをつまんで、店を出た。そのビーフンも最高だった。すいすいとボクらは皿のそれを平らげてしまったからだ。
やっぱり中華は最強だった。そして紹興酒はうまい。だが、心から満足できたという意味では、「麗郷」は偉大だった。
「絶対にまた来たい」と思わせる店である。
俺が東京で働いていた時、食のガイドブックかなんかで探して行って、美味かったので気に入って、その後何度か行った麗郷じゃないか。
あー、懐かしい。
そして師と同じく、物によってはかなりお高いんで、「いつか高いメニューも存分に食べたい。」と思いつつ、東京を離れてから二度と行くことがなかった店。
まだあったんだな。ほんと懐かしいよ。
東京に行った際、師と一緒に行ければいいなあ・・・。
そうか、そうか。
今回、怪鳥に教えてもらって行ったんだ。
最高にうまかったよ。
メニューによってはお高い。
確かに、確かに。
で、師は20年以上も前のことでしょ。自分は44にもなっても、お高いメニューはお高い値段のままだよ。
来年は、東京に来いよ。
そして、麗郷に行こうぜ。
麗郷、ふりーまんさんもごひいきだったとは。名店ですよね~。
ぷっつりと。
次回、立ち食い鮨です。
今、立ち飲みラリー山手線編は、渋谷です。渋谷にいるときは、連絡します。
建物の感じとか結構シックなのに、客層とか雰囲気がアジアンな感じだったのも好きでした。まあ、その頃はまだ台湾とかアジア旅行とかに行ったことなかったんで、自分のアジアのイメージだけでの評価でしたが・・・。
ただ自分、麗郷名物の甘い腸詰めは苦手だったりします。(苦笑)なにしに行っとんねんって感じですね・・・。
万人には受けないけど、なんかたまに食べたくなるんですよね。しじみのほうが万人受けするかもですね。
あ~、食べたくなってきた。近々行ってきます。いつか集合しましょう!
渋谷なのね。連絡お待ちしてます。