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居酒屋さすらい 0812 - SAMURAI BLUE - 「侍 神谷町店」(港区虎ノ門)

2014-12-29 09:56:32 | 居酒屋さすらい ◆東京都内

いまどき、LAにもこんな店の名前はないだろう。

「侍」。

だが、その外観はどう見ても和風スタイルではなく、明らかにダイニングバー。

何故、この店に入ったかというと、他に行くところがなかったから。

「一番搾りガーデン」を出て、神谷町駅に行く途中、居酒屋はなく、この当時絶頂を迎えていた「オレのフレンチ」を通り過ぎて、この「侍」という店に迷い込んでしまった。

 

我々が入店したときには、他に客の姿もなく、「いよいよこれは変な店に入ってしまった」とおおいに後悔したのである。

しかも、生ビールを頼むとサントリーの「プレモル」が出てきて、いよいよ「最悪だな」と。しかも550円。入店してから5秒で、自分の運命を疑いたくなった。

せっかく、おいしい「一番搾り」を飲んできたのに、何故嫌いなビールで〆なければならないのかと。

 

メニューを見て、驚いた。

どうやら、イタリアンのバーらしい。

パスタやピザ、カルパッチョなどがメニューに並ぶ。だが、これらも「一番搾りガーデン」の魅力的なメニューと対比してしまうと、遠くに霞んでしまいそうな貧弱さだった。

もしかすると、それは気分的なものなのかもしれない。

でも、 

「有機ズッキーニとフルーツトマトの柚子マリネ」(500円)

「キタアカリと乾塩ベーコンのポテトサラダ ~黒トリュフの香り~」(500円)

「黒胡椒コンビーフと米粉のバゲット」(500円)

「白身魚のさっくり揚げ 一番搾りのころも」(700円)

「北海道生乳使用 カニクリームのひと口コロッケ」(500円)

 

といった「一番搾りガーデン」のメニューを眺めた後に、

「鮮魚のカルパッチョ」(680円)

「スパイシーポテト」(580円)

「海老と小柱のアヒージョ」(780円)

「鮪とアボカドの焙煎ごまマヨネーズ和え」(880円)

「ゴボウチップス」(680円)

という「侍」のメニューを見ると、どうしても貧弱さを感じてしまうのだ。

いずれにせよ、あまり食指が進まないものばかりだった。

 

試しに「鮪とアボカド」を頼んでみたが、出てくるまでに相当の時間を要した。我々の他に客は誰ひとりいないのに。

 

家に帰って、この店の情報を探した。

「食べログ」の点数は3点にも届かない評価だった。

「和×伊で餐すアットホームなダイニングバー」。

「食べログ」に書かれた同店のコピー。

 

アットホーム?

求人欄の注意点として、近年よく言われるキーワードが「アットホーム」である。

評論家に言わせると「それ以外に取り柄がない」から。だが、実際はアットホームどころか、近年はブラック企業の隠れ蓑として「アットホーム」という言葉が多用されているという。

アットホームという言葉は実に便利らしい。

 

ようやく出てきた酒肴に我々はすでに白けてしまっていた。

スポーツバーにもなるというこの店。我々の気分はイタリアのアッズーリか。それとも日本代表のサムライブルーか。

とにかく、「一番搾りガーデン」で昂揚していた気分はすっかりブルーなものになってしまった。

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