「立ち呑み しゅらん」では、一人1,500円も使ったのに、さっぱり満足できなかった。
「もう一軒、行くか」。
ボクとT根は駅の方へ歩きだした。ともあれ、これにて立ち飲みラリーの浦和が終わった。さすが浦和。やはり、都会だ。6軒の立ち飲みがあった。
さて、どこへ行こうか。
「ホッピー飲みたいね」。
T根が言った。
それなら、「モルガン」か「ひとりあじ」だな。
そう言いながら歩いていると、目の前に「ひとりあじ」が現れた。「モルガン」までは、まだ遠い。
ボクらは、自然に「ひとりあじ」に吸い込まれた。
浦和は、赤羽文化圏なんだと思う。「ひとりあじ」の雰囲気は「いこい 」や「喜多屋」に似ている。白いカウンター、安い酒肴。けれど、決定的に違うのは、クオリティ。「いこい」も「喜多屋」も安かろう、悪かろうでは決してない。接客はさておき、肴はどれも安くてうまい。
この「ひとりあじ」には、「究極のやきそば」という、ある種名物ともいえるメニューがある。キャベツの切れ端すら入っていない、素やきそばだ。
居酒屋さすらい 1126 - 何が「究極のやきそば」なのか? - 「ひとりあじ」(さいたま市浦和区仲町)
そのある意味究極のメニューが、全てを象徴していると思う。はじめはギャグなのかと思ったが、実は洒落ではなさそうだということを、今回の訪問で悟った。だってこれ、高校の文化祭で出るやきそばよりひどい。せめて、名前を「文化祭のやきそば」くらいにすれば、洒落だと分かるのだが。
まぁ、それはよしとしよう。
今回、びっくりしたのは、「おでん」。
その味は驚愕だった。いや、どんなものでも文句を言わないT根さえ、「これはぁ」と、まるで日本食研の「しじみ」に出てくる、「二箱、二箱」と連呼するお兄さんのように言った。いや、おでんの街、北区民として、ボクもこれを黙認する訳には行かない。
おでんの味がしないおでん。
これにはちょっと参った。
センベロ?
いや、何でもいいって訳じゃないよ。
今晩はついてなかった。
2軒とも、ボクらを満足してはくれなかったから。
浦和駅のガード沿いを歩いていると、立ち飲みと書かれた看板の店を見つけた。店は閉まっている。定休日なのか、それとも潰れたのか。
ともあれ、まだまだ、立ち飲みラリー浦和は、もうひと波乱ありそうだ。
想像もつかないです。
たまたまなのか。それとも、デフォルトなのか。なんとも言いようがありません。