雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

あるものは使え (冷却デジカメ再検証)

2016年03月25日 | 画像処理のはなし
このところ冬型に逆戻りしているのですが、満月期につき気持ちおだやか。
ただ月が下弦を過ぎる頃には春の系外銀河の撮影の本番に入ります。
その主力となるべきVC200Lのガイド精度が一歩前進しました。
星像の流れ(ブレ)が少なくなったことにより、系外銀河の細部の解像が期待できます。

もうひとつ、結露によるカメラトラブルをさけるため 冬場は冷却を封印してきた
Cooled60D もそろそろ本領発揮していい時期。
そこで、この満月期を利用してダークファイルライブラリーの充実を図る事にしました。

冷却すればダーク処理は要らないのでは?」 と思われる方もおられるかもしれませんが、
その結果、冷却なしのデジカメでダーク処理をした画像と とんとんでは冷却を買った意味がありません。
今回は新たにISO 3200までの高感度のダークも追加して、
更にCCD温度を0.5℃刻みに作成するという意気込み。
この4日間、平均で1日10時間近くカメラを冷却してひたすらダークを撮り続けました。
総露光時間は30時間を越え、ついにカメラが音を上げてダウンしました。
購入した頃、さんざん悩まされた冷却が原因の結露による電源系ショートと思われます。

幸い、今回は半日ほどおいて自然回復したので、乾囲送兵衛 を装着して再開しました。

もっぱら裏口付近の室内で作成したのですが 外気温よりやや高めのため、
昨夜はみぞれ降る中で一式を外に出して作成しました。
ところがまだ乾燥が不十分だったのか、途中でカメラの動作がおかしくなり再びダウン。
しばらくは乾燥した暖かい部屋で休ませてやる事にしました。

今回のNewダークファイル作成にあたって検証した結果は編集後記の後に載せておきました。
興味のある方はご覧ください。

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室内なら大丈夫だろうと思ったのですが、
気持ちが先走ってカメラを酷使しすぎました。
労働基準法の範囲内で働かせてやることにします。

雲上くもがみ
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◆ ダークファイル検証内容(抜粋) ◆

冷却によるノイズ低減
ヒストグラムの裾野が広いほど背景のザラつきが目立つことになります
購入当初の冷却能力はは26度だったのですが、結露防止のヒーター強化で20度、
更に『乾囲送兵衛』 装着で約17度に下がっています。
それでも冷却によるノイズ低減効果は明らかです。
一般の画像処理の様に、ダーク減算をやった場合についても比較してみました。
減算に使ったダークファイル +4℃(冷却なし) -10.8℃(冷却あり) それぞれ15分×5 ISO1600
冷却なしの場合は当然ですが、冷却でもダーク減算はダメ押しの効果があります。

ダークファイルのコンポジット枚数
以前のダークライブラリーは5・6枚コンポジットを基本に作成してありましたが、
新しいライブラリーでは10分×10枚コンポジットを基本としました。
ただ作成に余りに時間がかかるため、枚数を減らすか迷っています。

◆ 露光時間とダークノイズ ◆
以前に書いた記事 「kissDX vs Cooled60D(その2)」 で 冷却すると露光時間が増えてもノイズは変わらない
と書いたのですが・・間違いでした
今回いやになるほどダーク画像を撮ってわかったのですが、
冷却しても露光時間とともにCCD温度が上昇し、ノイズも増加します。
ただ冷却してる事により、その変化はゆるやかです。
新しいダークライブラリーは当初10分露光だけで使い回す予定だったのですが、
15分露光も必要なのかなぁ?
ただ、それだと時間がいくらあっても足りない。

おまけで ホットピクセルノイズとベイヤー配列です。
 
ホットピクセルは1画素で、周囲は演算結果でにじんでいるように見えています。


コメント (2)
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