夏樹静子の「デュアル・ライフ」読んだ。日本語に訳すと二重生活。
10年以上前になると思うが、NHKでドラマ化されて観たことがある。主演は樋口加奈子と小林薫。偶然、下北沢の古本屋で見つけたので即購入。
主人公の時津逸人(46才)は妻の親父が経営する土木会社を引き継ぎ順調満帆な生活を送るが若き日の恋人の高坂史に高崎で再会。
史を裏切り上司の奨める女性に婿入りした罪滅ぼしのため、仕事をあっせんし、横浜に住まわせ、2週間に1度仕事にかこつけて横浜に通い、二重生活を楽しむ。
我が世の春を謳歌するが、最後に落とし穴が・・。誰しも別れた恋人のことは大なり小なり案ずるもの。時津の史を想う気持ちは男だし分かる。「五番街のマリー」聴きたい気分♪。
小説とわかってながらもハラハラする展開。そして意外な結末。人生は何がきっかけでいつ砂の城のようにもろく崩れるのかわからないものだ。人生というものは切なく、上手くいかないものです・・・。
多分、バブル崩壊後の1990年代前半の名古屋、高崎、横浜を舞台に書かれた小説だけど、お奨め度度は高い。携帯が世に出始めた頃と思うけどバブルの名残か自動車電話の存在には笑えたけど。