


「・・・私も世間で一つ二つちょっとした事 だけれど、貴重な事を学んで来たの。 一つは例えその人の 言葉使い が 間違っていようと、こちらをののしらない限り、 構わないという事なの。 そう言えば、ピーターは相変わらず 間違った言葉使いをしていること?」 【「アンの友達」 12.】 |

いやに底冷えする今朝、“今日は雪かしら・・?”
ちょっぴり期待を込めて、でも恐る々開けた雨戸。
意外にも空には何もありません。勿論、白い雪景色も。
やがて空には、ドク、ドク、ドク・・と勢い良く昇る太陽。冬日和です。
こんな事なら無理して昨日出掛ける事もなかったなんて、
ちょっぴり後悔したものです。その時までは。
でも、お昼前頃からでしょうか・・ポツポツ・・と雪。
勿論、降ったりやんだりで(ほんの少し)太陽も照っています。
やはり昨日よりは相当に寒いかも知れません。でも、面白いですね。
昨日外出しなければ、友人にばったり・・という事もなかったのですもの。
しかもお互いにそんな風に思って外出したというのですから、
昨日は外出するべき日という事だったのでしょう。
それにしても日本海側は大雪で大変な事になっていますね。
昨年から災害続きの日本列島。
富士山噴火・・? なども叫ばれていますし、
これから一体、どうなるのか心配です。

焼跡の広がる中で、初めて読んだ 「煙草」 以降、 ほぼ24年になるけれど、それが嘘のように、 常に新しい魅力を加え、かと思えば、読まなければ ならぬ古典の如き重圧感を僕に与え、現在の処、 わが三島体験は、混沌としていて、それは丁度、 遠泳に似ている。どれほど泳いだのか、まだ先 どこまで泳がなければならないのか、一体僕はこの 「豊饒の海」 のどこに漂っているのだろうか。 ~【野坂昭如(のさかあきゆき)】 |



先日来からの続きのようなものですね。
その前に今日の引用文。
この場合は恋人通しの会話での事。
おまけにその事に対して女性が拘った
ために別れる事になったのですから、
上記のような言葉となったのでしょう。
一般的な “間違い” とは少々、
意味合いが異なるかも知れません。
ところで先日も記しましたが、
三島由紀夫の事。
(恥ずかしい話ですが)
初めて読んだだけに随分、
てこずりましたが、改めて
凄い人と思えてなりません。
それは日を経れば経るほどに。
でも小説家の野坂昭如だって
上記の如くですから、
私などが理解出来ないのは当然ですね。
そうそう、昨年話題になった、 「雨模様」。
ほとんどの人が雨が降っている時の様子だと勘違いしていたという・・。
本来は、“雨の降りそうな空の様子” の事を言いますが、
氏は、小節の中で当然の事ながら、理解して使っています。
そして案の定、「他人事」 には 「ひとごと」 と振り仮名が。
氏だけではありません。それは推理小説の中にだって。
私は鮎川哲也のファンでもあるのですが、
小説中の人物の言葉に今でも心に残っている言葉があります。
「最近では、“早急” を “そうきゅう” と言っているけれど、
私は、絶対に “さっきゅう” と言い続ける」 と。
他にも音楽、別(わ)けてもクラシックに造詣(ぞうけい)が深くて。
そう言えば、三島由紀夫も敬語の事について、
【本多】 に言わせていましたものね。作家の信条が分かって面白いです。
このように本の効用には計り知れないものがありますね。