ピアノの上の1輪挿しに、 その庭の冬薔薇が挿してある。 淡いクリーム色の花の影が 漆黒のピアノの蓋に映っている・・・。 譲二はつと立つと蓋を開けた。 緋羅紗の鍵盤覆いをじゃけんにはねのけて、 馬の歯を並べたような象牙の鍵盤を 指1本でポンポンと打ってみる・・・・・ 【吉屋信子著 「安宅家の人々」】 |
「建国記念の日」 の今日は快晴の朝となりました。
春とは名のみの厳しい寒さ・・と記したのは、つい昨日の事。
その一方で、近付く春の足音がひたひたと迫りつつあるのも感じます。
まず日溜りの日射しの柔らかさ。そして日が長くなった事。
あの老いた月の日々、午後4時半ですら薄暗くなっていましたのに、
今では午後6時でも明るい・・。
そして今日は、かなり暖かくなりました。
さて、探していたオスカー・ピーターソンの
楽譜が出て来ました。
ただ、彼のレコードはあるのですが、CDを持っていません。
私は CD を何度も聴き、感覚を掴みますから、
CD がなかったら、お手上げ状態。
CD に合わせてピアノを弾けるようになりましたら、
一応仕上がり・・という方法を取っています。
いいえ、“取っています” ・・ではなくて、
“取っていました” ですね。もう何年もジャズは弾いてはいないのですから。
所謂(いわゆる)、コピー & モノマネの類(たぐい)。
でも考えてみれば、それでいいのですよね。
文法なんて分からなくても英語が喋れるように、
スケールなんて拘らなくてもいい・・。
理論は、後から着いて来ますもの。
~なんて、つい思ってしまいます。詮方(せんかた)ない事ですけれど。
もっと若いうちに、そんな風に割り切れていましたら・・。
そんな時、「鏡に微笑みかけて」 の楽譜を見つけました。
これには確か CD があった筈・・と探し出したのが上の写真です。
求めたのは楽譜が先だったのか、CD が先だったのか・・。
そう言えば、クラシックの名曲が収められているから求めたのでしたっけ。
ショパンの 「ノクターン」、リストの 「愛の夢」 等など・・。
例えば、ショパンの 「ノクターン」。
一部を本来のクラシックで弾いて、途中からジャズに変化させる・・
不定期に行なっている、子供たちのピアノ発表会などで
弾くにはいいかも知れません。何だか楽しくなりました。