【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

時空列車に揺られて~晩餐会の13人

2012-02-29 16:16:36 | A・クリスティーの館











「モンタギューコーナー卿は、殺人の
あった夜、晩餐会でレイディ・エッジウェアと
交わした会話に触れる。
こんなのを受け答えるのは造作ない。
しかし、その後で、
応報天罰の女神ネメシース”が、彼女に襲いかかる。
『パリスの審判』 という言葉が言われた時、
無知な彼女は、そのパリスを、
自分の知っている唯一のパリスと取り違える。
―― ファッションと虚飾のパリと!
        【A・クリスティー著 「エッジウェア卿殺人事件」】


   




   予報通り昨晩遅くから降り出した雨。
  朝には上がるとの事でしたが、
  起床時には、まだ若干残っていました。
  それでも午前8時頃には完全に上がったようです。

   そう言えば昨夜、俄かに“暖かい・・”
  と感じたのは、雨が降り出す頃からだったでしょうか・・。

   これからは一雨、一雨・・春が近付くのは間違いないようです。
  明日からは3月ですものね。今では青空も戻り、暖かくなりました。 









   



   さて、一昨日の今日ですが、A・クリスティー作、
  「エッジウェア卿殺人事件」 読了。
  
   この物語は、エッジウェア卿夫人でもあり、美しい女優でもある、
  ジェーン・ウィルキンスンと、その彼女の物真似を得意とする、
  カーロッタ・アダムスの公演をポアロが観劇する場面から始まります。

   あろう事かその晩、物真似された当の本人、
  ジェーン・ウィルキンスンから離婚に応じない夫を
  説得してくれるよう依頼されたポアロ。

   そのエッジウェア卿が殺害され、
  当然妻のジェーン・ウィルキンスンに容疑がかかります。

   しかし彼女には晩餐会に出席したという鉄壁のアリバイが・・。
  しかもその出席者の人数は、13人。

   13という数字は、キリスト教国では
  忌み嫌われている数字ですものね。

   (13という数字には 「裏切り者のユダ」(注:1)
  の刻印が押されてしまったようです)

   ここでも、その不吉な13人目の出席者は、
  真っ先に退場して行きました。
  
   ここから例の如く犯人らしい人物が現れては消え・・。
  先日も記しましたが、ポアロの灰色の脳細胞も
  珍しく湿りがちだったものです。

   でも、今回ばかりは私は犯人をピタリと当てました。
  ただ単なる勘で、ポアロのように筋道立てて
  解明など出来ませんけれど。

   クリスティー物は、登場人物の多さに翻弄(ほんろう)されます。
  でも、ほんの少しですが、そのパターンが
  分かって来たような気がします。

   それにしても 『パリスの審判』。(注:2)
  結局、これが運命の分かれ道でしたね。
  彼女は、こんな風に答えてしまったのですから。








   



   さて、ゴトゴト揺られていましたが・・
  列車は漸(ようや)く目的地に着いたようです。

   長時間の列車。さすがに疲れて来ました。
  そろそろ網棚から荷物を下ろさなければなりません。 
  
   そうそう読書に使った、エリスの鼻眼鏡も、
  忘れずにしまわなくては・・。

   (勿論、私は使用しません。
  この鼻眼鏡、事件のキーポイントにもなりました)

   そう言えば、この丸い鼻眼鏡、
  ジェムシーナ小母さん も、 ミス・マープル も似合いますこと!


 
 

   注:1  キリストの最後の晩餐会の12人の使徒と、
       師を裏切って敵方に売るために、1番先に席を
       立って出て行ったのが、「イスカリオテのユダ」。

   注:2  ギリシャ神話。
       争いの女神が最上の美女に与えると言って
       投げたリンゴを3女神が争い、その審判役を
       トロイの王子パリスが務め、アフロディテに与え、
       その報復にギリシャからヘレネを連れ帰る。
       これがトロイ戦争の発端となる。