【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

ささやかな抵抗

2012-02-15 18:05:05 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編













・・・時間潰しにもと1冊手に取って
ハンドバッグから100円銀貨一つ出すと、
「もう50円頂きます」
「あら高いのね」 さばっと言って微笑むと
売子は笑い出した。
黒に細かな地紋のカクテルスーツ、
バッグも一色のアンサンブルに真珠の
ネックレスとすらりとした背をすべるストールの
栗鼠プチグリのグレイが際立つ装いに、
彫りの深い顔立ちに鼻筋が通ったせいか、
やや冷たい感じの奥さんが
150円を高いわねと言ったので
売子はすっかり嬉しくなってしまったようだった。
                【吉屋信子著 「女の年輪」】


   





   雨こそ降っていませんが、今日も重い空で明けました。
  そう言えば昨日の雨。一体、いつ上がったのでしょう・・?
  確か夕方、雨戸を閉める時には上がっていたようでしたけれど。

   今年の冬は寒いものですから、早いうちに雨戸を閉め、
  室内に閉じこもりますから外の様子が全然分かりません。
  とは言え、お天気はゆっくり、ゆっくり・・回復しています。









【画像加工しています】

  


   さて、つい昨日のような気もしますが、
  8日振りなのですね。

   『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』、
  開店と致しましょう。

   昨日のバレンタインデーの
  チョコが残っていますから。
  こんな時は薔薇のカップで。

   尤も今年は昨年までと、
  その様相は少々、違っています。
  と言いますのも・・。

   私が尊敬してやまない
  作家に曽野綾子がいます。
  (ただ、小説は苦手)

   でも、エッセーは大好き。
  考え方と言いますか、その信条には
  いつも共感させられる事、大なのです。

   そんな女史のちょっと前のエッセーに
  「大人の精神的幼児化は重症」
  と題したものがあります。

   一言で言えば、最近の風潮として過剰とも言える 「自分を好きになる」、
  「自分へのご褒美」 云々(うんぬん)に苦言を呈(てい)したもの。









曽野綾子著 「透明な歳月の光」


   





   ガ~~~ン!! 自分に甘い・・そう私。その通り。
  「自分へのご褒美」・・そんな風に勝手に称しては、それこそ何度も。
  どれもこれも思い当たる事ばかりです。

   そんな私ですから、バレンタインデーには、これ幸いとばかり、
  “ゴディバ” のチョコを当然の如く、ここ何年か求めて来たものです。
  (昨年の記事は、【こちら】

   ただ、今年ばかりは自分の中にちょっと異変。
  それでも売り場に足は向かったのですが・・。

   今日の引用文ではありませんが、「高い!」
  世間では円高、円高と騒いでいますのに、昨年と全く同じ値段。
  少なく共、ブログを始めた6年間は。

   値段は一緒だけれど量が増えている? そんな風には見えませんでしたけれど。
  それにしても円高還元は、どこに行っているのでしょう。

   上がる時にはすぐ上がるのに、下がるのは一向に下がりません。
  回れ右をして国産のチョコに変更しました。

   ゴディバのチョコは、ちょっと他にはない変わった味ですが、
  日本のチョコだって美味しさでは負けていませんものね。
  いいえ、それ以上かも。大切なものを見失う処でした。

   最後に。今日の引用文の時代背景は昭和36年(1961年)頃。
  それにしてもパンフレット(映画など)は、今も高いですよね。
  「あら高いわね」 さばっと言って、それが絵になる人って素敵です。