【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

早春の雅(みやび)な香り

2012-02-22 15:16:57 | 路傍の花~道草
















まだ蕾の 沈丁花 がテラスを取り囲み、
テラスの一角の餌場は、
本館と同じ赤瓦の屋根を付けていた。
そこに群がっていた小雀こがらたちは、
針で突ついたような啼音なきねを立てて、
近付く本多と慶子の姿を見るなりった。
        【三島由紀夫著 「暁の寺」~豊饒の海第3巻】




   日の出前の空は、
  薄紫色のこんな優しい空に。

   この空と同様、随分、
  寒気の緩んだ朝となりました。
  何でも3月中旬の気候とか。

   そんな春の兆しを感じた
  今朝、「匂い菫」 がいよいよ
  首をもたげて 来ました。
  【注 : 茎立(くくたち)】

   一方、本当に長い事独り旅を
  続けていた菫は、安心したように、ひっそりとその役目を終え・・。

   長い事、お疲れ様!
  ここにも菫たちのドラマがあるようですね。












   さて、今日の写真。
  昨日の公園のものです。

   私の住んでいる山側は、
  まだまだ開花していませんが、
  こちら平野部の公園では
  1輪、2輪と・・綻びつつ
  あるようです。

   今日などは暖かいですから、
  一気に花開くかも知れませんね。

   そうそう、そこでは沈丁花も
  沢山の花芽を付け・・。

   丁度、上記の引用文
  そのままの光景が
  繰り広げられていたものです。

   それにしても小さな雀の事を
  「小雀(こがら)」~なんて。

   この年になって又、
  1つ言葉を覚えました。

   そんなこんなで・・。
  一昨日に引き続き、今日も梅の事を。

   昔の人が、いかに梅を愛していたかという事は、
  先日の 【梅に鶯】 でも十分、感じ取れます。

   もう1つ、学問の神様、菅原道真の 「飛梅伝説」 も、
  あまりにも有名ですね。

   前回の村上天皇と同様、道真も又、
  梅をこよなく愛したと言います。

   それは、大宰府に左遷される時、大切にしていた庭の梅の木に、
  次のような別れの歌を贈った事でも分かりますね。

       東風こち吹かば匂ひおこせよ梅の花
                  あるじなしとて春を忘るな」


   その梅が道真を慕って、遥か大宰府まで飛んで
  行ったというのが、この伝説のいわれです。
  何と言う壮大なロマンでしょう。

   四季があるからこそ培われた
  日本人の繊細な感性、素晴らしいですね。

   季節は移ろい、厳寒の冬も必ず去って行きます。
  先人は、他の花に先駆けて咲くこの梅の花に、
  勇気と希望を貰った事でしょう。

   今年は桜の花も、
  例年とは違った目で眺める事が出来そうです。