樹木は、多くの人間どもとは違って、 知れば知るほど良くなる。 最初にどんなに好きであっても、 だんだんとなお好きになる。 そして長い、長い年月、 四季の変化を通してその美しさを知った時に、 最も深く愛するのである。 【「エミリーはのぼる」 第19章】 |
夜明け時の、何もない快晴の空が続きます。
今日で3日連続。いいえ、何もないって事はありませんね。
朝、とりわけ起床時は、つい東の空に目を遣りがちですが、
振り返った西の空には、真丸というには少々、欠けた有明の月が、
何とも愛嬌のある顔を出しています。(来る15日が 「下弦の月」)
さて、いち早く顔を出し、
寒い冬の庭で孤独な独り旅を
続けていた、匂い菫に、
やっとお仲間が出来ました。
ずっと俯き放しだったけれど、
満面の笑顔でお出迎え。
このヒヤシンスも、
お互いに香りの良さでは
負けていませんものね。
東南の角のこの場所、
植物にとっては格好な場所
なのでしょう。
開花のスピードの早さに
驚いています。
ヒヤシンスは、
漢字で書けば 「風信子」。
過去ログでも
話題になったものです。
まるで風さんちの、
信子さんのようですが、
その信子さん、どこか優雅な
「深窓の令嬢」 的雰囲気ですものね。
かと思えば・・。
「ちょっと頭を ヒヤシンス 」
~なんて、懐かしいギャグも浮かんで来たり。
ところで東南と言えば、
冒頭の写真のリラの木。
何しろ憧れの木なものですから、
わが家で1番日当たりの良い場所を選び、
満を持して植えたものです。
でも、いかんせん北国の木。
もう少し、涼しい場所に植えるべきだったのでしょう。
一向に花芽を付けてくれません。
とは言え、私にとっては希望の木。
まさしく今の時期は、“今年こそ・・”
と期待に胸膨らむ季節なのです。
おまけに若芽だけの、ほとんど裸木に近い、
その凛とした立ち姿にも見惚(と)れます。
そうそう、若草や若葉の緑の事を
「早緑」 という事を知ったのもこんな時。
「さ・み・ど・り」、声に出して呟いてみます。
清々しくて、希望の風が、
サッと吹き抜けた時のような爽快感。まだまだ寒いけれど・・
ほら、すぐそこに近付く春の足音が聞こえて来ませんか・・?