
『平和への願い、夢、誓い…
あなたの“今の言葉”をご投函ください…』
と、書かれたポスト。
この中に、どんなメッセージが、どれだけ投函されているのだろう…。
手帳を取り出し、一瞬考えてみたけれど、
やっぱり書けなかった。
今、思っていることを全部書き出すと、
どれもみな薄っぺらで、
使い古された言葉のように思えてきたから…。
無言館の坂を下った広場にある小さな公園で
3歳くらいの男の子がパンダの遊具に乗って遊んでいた。
お盆休みの帰省なのか、嬉しそうな祖父母が遊具に乗っている男児の側に寄り添い、
その様子を若い母親が見守り、
その傍で父親らしい男性がビデオを撮っていた。
平和な風景そのものだ…と思った。
この男の子が大人になる頃、
世の中は、どうなっているのだろうか…
見上げると
頭上には久しぶりに青空が広がっていた。
この空に似合うのは、
自然界の生き物だけだ…
人間が作った戦うための武器など似合うわけがない。
