引っ越して、2回目の夏。裏の藤本川に鴨もやってきて、一年一回のブルドーザーでのお掃除も2回目。
2回目の調律もやってきました。
「442HZでいいですか?最近どんどん高くなって、ヴァイオリンの人なんかすごい444HZなんてこともありますが。」
「高いのが流行りの時もあったけど、また戻ってない?いいですよ。うちは442で。」
仕上がった後に、「これでどうですか?」と聞いてくれたので、弾いてもらって聞いてみると、音色が違う音を何音か、見つけてそのことを言うと、古いピアノは、弦の張力にコマが負けてきて、コマが浮き、3本ある弦の一本だけが、ビーンとうねりまったりします。
音程を合わせても、そのうねりが音に交じるので、音色が他の音と合わなくなってくるそうです。
2ミリほどの浮いてしまったコマを、ハンマーで一個、一個叩いて調整してくれましたが、「こうなると、また浮いてきます。全くなくそうとすると、弦を張り替えるしかないですよ。」と言われました。
それから、低音のEのあたりから、また音色が変わります。そのことを聞くと、
「アップライトは、ここ見てください。この音から下は、巻き弦になるんです。巻弦の初めの2音だけ、右の方からきて、ここに断層があるでしょ。この部分に無理があるんです。」
「作った段階で調節しているんですが、やっぱり年とともに、ここの音がまずくなってくるんです。」
「このピアノを始めに調律したSさん。ここに名前がありますよ。この人しってますよ。今、ピアノの配送センターにいて、メチャメチャすごい人ですよ。その人が、このEとEsの音をトントンと、叩いて違和感なく仕上げる神業をもってはるんですよ。」
ピアノのことはよくわからないので、話を聞いていると、とても面白いです。
特に何音か直してもらったけれど、やっぱり何音かはうねっています。
それもこのピアノの個性と思うことにしました。