音楽の喜び フルートとともに

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ジョリベからの問い

2015-02-17 23:50:04 | 近代

夫が台湾の仕事先にお土産にもっていったキティちゃんのミニゴーフル缶。
台湾でも人気があって大変よろこばれたそうです。
1個、余ったのを持ち帰ってきました。
キティちゃんは子どもの頃以来。
すでに缶自体もかなりのクオリティですが、中もこのとおり。


ゴーフルも、この小さな缶に2袋に各6枚。
チョコ、いちご、プレーンと3種類の味が入っていて、外は薄くてサクサク。中の甘味も絶妙でとても美味しいです。
いい仕事しています。

今日は、ジョリベのフルートソナタを見つけて、吹いてみました。
残すは打楽器とフルートのためのソナタと、ヴィオラとハープ、フルートのための小組曲。
「なんだこりゃ?」という感じは、まだ消えませんが、なんだかわからない熱い野獣のようなエネルギーのようなものは感じられるようになってきました。

ジョリベは戦後も活躍しましたが、リノスの歌や、フルートのための協奏曲を書いたのは、戦前、戦中。
戦争と切り離して考えることはできません。
1940年には3つの兵士の嘆き、平和のためのミサという声楽曲を書いています。
1936年5つの呪文、1944年リノスの歌。
調性からの解放。
一つの民族を滅亡の寸前まで追いやり、人類全員を滅亡させる能力をもっていることに人々は気づいたのです。
誰にも、どこにも逃げるところはありません。あずかり知らぬところで起きた戦争で、明日人類は滅亡するかもしれない。
こんな恐怖を第二次大戦まで、人類は抱いたことはなかったのです。
その絶滅の間近まで行った。
恐ろしいことです。

いたずらに恐怖を煽りたくはありませんが、その恐怖を身をもって知ったことで、あらゆる芸術、政策が、あの大戦を踏まえて、二度と同じ過ち繰り返さないために、叡智を絞る決意をもとに創造されたのです。

ジョリベの音楽は、人間の綺麗事ではない本質、本性に迫ろうとするように見えます。
人間自身の中にある野獣のような部分や、闘争心。

人間には知性があるので、銃器や、武器、地球を50回以上爆破できる爆弾や人類を滅亡させてしまうウィルス、原子力もコントロールできる。という言い分で、相手よりも優位に立ちたいという欲望を野放しにしていいのだろうか?

そんな根源的な問いに、ジョリベの音楽は引き戻してくれるような気がします。