演奏会まで後4日。イベールは、軍人。吹けば吹くほど、フルートコンチェルトの一楽章は、はっきり、くっきりと演奏することが求められていることがわかります。1拍120に音符を4つ入れる。シングルタンギングで演奏することを求められているテンポ、短いフレーズでどんどん転調する音は、少しでも迷ったり、明確でないと感じが出なくなってしまいます。
当たり前のことだけれど、当たり前が難しいです。自分が、今まで、曖昧にしていたテクニックや、鍛錬の足りない場所がどんどん明らかになっていきます。
シンコペーションの多いフレーズは鋭い反射神経を試されます。自分のものにして体で演奏しないと、演奏がういてしまいます。
私と対極にあると思ったのはそのとおり。私は元来、曖昧さやゆらぎの多い曲が好きなのですが、このイベールは、全く反対。明確さを要求されます。もっと、練習するのがいやになるかと思ったのですが、実際にチャレンジしてみると、何かわけのわからないエネルギーがこの曲から、あふれてくるのがわかります。
モーツアルト時代の調和の美しさもなく、不協和のにごった音のオンパレードと、下品なシンコペーションのアクセント。ごった煮のカオスの中、圧倒的な、とにかく前進んでいくエネルギーこれがイベール。
いつも低体温で、低血圧の沈み込んでいるのが自然な私でも、この曲を演奏すると、とにかくエネルギーが沸いてきます。
映画音楽をたくさん書き、戦争にでかけ、コンクールで遠く日本までやってき、舞台音楽を書き、とにかく、働き続け、動き続けたイベール。逆立ちしてもイベールにはなれないけれど、後もう少しイベールに寄り添い、理解したいです。
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