ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「三里塚に生きる」、1960年代に起きた三里塚闘争の今日を描く

2015-04-22 16:14:20 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆

見て欲しい度 ☆☆☆☆☆

京都で上映中。

たまたま、見た日に、上映後、この映画の監督である代田治彦さんのトークショーがあった。

平日のせいもあって、観客が少なく、代田さんにとっては不満のトークだった。

そのせいか声も小さく聞き取りにくかった。

三里塚の映画といえば、小川伸介さんのドキュメントが有名だが、残念ながら未見。

それにしても、いまだに続く三里塚の後遺症。(三里塚は、成田空港建設時、土地収用で激しい対立があった場所)

キャメラマンの大津幸四郎さんは、ずっと三里塚を追ってきた人だが、45年ぶりに、再びカメラを持って、いまだに闘争を続けている農民たちの今を撮ろうとしたのが、この映画のきっかけだそうだが、

その大津さんが、映画を撮り終えて、昨年暮れ80歳で亡くなった。彼にとっては思いのこしの映画だったのだろう。

三里塚といえば、学生運動など左翼の闘争と位置付けられがちだが、この映画で見ると、農民の戦いだったことは明らか。

映画は、闘争中に自死した青年と、自宅と田畑を強制収容された今はなき老婆に焦点を当て、権力の非道さを浮き彫りにする。

今も、沖縄問題や原発問題で、権力側のごり押しが目立つが、本当は、この映画を教訓にしてもらいたいものだ。

1960-70年代の最も激しかった当時の映像も巧みに挿入され、貴重な記録映画となっている。

すべての人に見てもらいたい映画なのだが、現代の世の中では、細々した自主映画に頼るほかない上映環境に哀しみを感じる。
コメント
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