おすすめ度 ☆☆☆☆ (劇場鑑賞)
良質な映画好き ☆☆☆☆☆
1962年。ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、粗野で無教養だが口が達者で、何かと周囲から頼りにされていた。
南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われる。
1962年といえばアメリカ南部の人種差別的な法律ジム・クロウ法がまかり通っていた時代。
シャーリーは、黒人でありながら、9歳でレニングラード音楽院の生徒となり、18歳でボストン・ポップス・オーケストラにてコンサート・デビューを飾るなど、生粋のエリート。
一方、トニーは、イタリア系で、家族や親せきもフランク。用心棒を務めるだけあって、鼻っ柱も強い。
こんな正反対のコンビが、黒人差別の激しい、南部を旅するのだから、問題山積。
この映画は、実話に基づいており、トニーの息子が共同脚本者で、シャーリーが司法長官のロバート・F・ケネディに電話で助けを求めたのも、カーネギーホールに住んでいたのも、フライドチキンをめぐる2人のやりとりも本当のこと。
ラスト近く、黒人お断りのレストランを後にしたシャーリーが、訪れた黒人バーで即興でジャズを演奏するシーンが楽しい。
黒人差別を扱いながら、ラブレター代筆のエピソードなど、心温まる映画だ。