おすすめ度 ☆☆☆☆ (劇場鑑賞)
クリントイーストウッド、88歳、まさにこの映画の年齢だ。久しぶりの自作自演。
87歳の老人がひとりで大量のコカインを運んでいたという実際の報道記事をもとに、長年にわたり麻薬の運び屋をしていた孤独な老人の姿を描いたドラマ。
シナリオのせいもあって、まさにわかりやすい展開。
家庭を顧みず、自らの趣味と実益に生きてきた男。おかげで家庭からは見放されている。
デイリリーという百合の花に入れ込んで一時は成功するも、時代の流れで事業に失敗。
運び屋を持ち掛けられ簡単に引き受け、金を手にする。次々に舞い込む以来。そのたびに金額が大きくなる。
自宅の建築から、戦友会の建物と、仲間たちに報いていく。
一方、旅先では、酒と女に明け暮れ、まさに青春がよみがえったよう。
この生きざまを楽しむかのようなクリントの名演技。
そして、ラスト近く、妻の危篤で、一転家族に引き込まれる。
従軍経験から、所々で見せる、やくざや警察相手の凄みをやだましの演技にもうならせられる。
家族が大事と、最後のご奉仕、あとは趣味に生きる晩年だ。
娘に扮するのが、クリントの実の娘で、現実のクリントも家庭奉仕。