おすすめ度 ☆☆☆☆ 劇場鑑賞
二宮和也が主演を務め、シベリアの強制収容所(ラーゲリ)に抑留された実在の日本人捕虜・山本幡男を演じた伝記ドラマ(原作 辺見じゅん)。
第2次世界大戦後の1945年。シベリアの強制収容所に抑留された日本人捕虜たちは、零下40度にもなる過酷な環境の中、わずかな食糧のみを与えられて重い労働を強いられ、命を落とす者が続出していた。そんな中、山本幡男は日本にいる妻や子どもたちのもとへ必ず帰れると信じ、周囲の人々を励まし続ける。山本の仲間思いの行動と力強い信念は、多くの捕虜たちの心に希望の火を灯していく。
コロナ下であり、ロシアのウクライナ侵攻も併せて、時宜を得た企画だ。
この映画は愛の物語であり、背景にシベリア収容所の問題があるが、そこの描写は薄い。
あくまで、山本という愛に満ちた人生を描きたかったのだろう。
ラスト近く、山本の遺書を届けるシーンは、涙なしでは見られない。
俳優たちの演技合戦のようで、二宮はじめ、なかなかの熱演だ。
物語としての起伏は万全で、今年有数の作品だ。