おすすめ度 ☆☆☆★
R15+
2021年・第78回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。2022年・第47回セザール賞で作品賞を含む7部門に輝いた。
19世紀フランスの文豪、オノレ・ド・バルザックの「人間喜劇」の一編、「幻滅-メディア戦記」を映画化したもの。
19世紀前半。フランスでは恐怖政治が終焉を迎え、宮廷貴族たちが自由と享楽的な生活を謳歌していた。詩人としての成功を夢見る田舎町の純朴な青年リュシアンは、貴族の人妻ルイーズとパリへ駆け落ちするが、世間知らずで無作法な彼は社交界で笑いものにされてしまう。生活のため新聞記者の仕事に就いた彼は、金のために魂を売る同僚たちに影響され、当初の目的を忘れて虚飾と快楽にまみれた世界へと堕落していく。
19世紀フランスを舞台に描かれる若者の野心・成功・挫折…。擦られまくったテーマながら、現代にも通ずる当時の風俗や『メディアによる情報操作の闇』なども知れて興味深い。