おすすめ度 ☆☆☆
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。
親子の楽しい筈の夏のひとときが、終始重苦しく感じる。一つ一つのカットは非常に美しく、特に引きで取った場面はまるで絵葉書のようだ。
ただ子供の無邪気な笑顔もキラキラ輝いているように映るが、どこか物悲しさが漂う。デュエットの拒否、バースデーソング時の困惑した表情。。確実に終わりを迎えるこの時間が、逆に父親を息苦しくさせているのか。夜中の海に向かう場面は自死をもイメージさせる。
父を演じたポール・メスカル、娘を演じたフランキー(フランチェスカ)・コリオがすばらしい。この二人によって、この傑作が生まれた。