おすすめ度 ☆☆☆
鈴木清順好き、喧嘩好き ☆☆☆★
1966年 鈴木清順作品。
原作は、鈴木隆の小説、新藤兼人が脚本。
昭和初期の旧制中学校の生徒の喧嘩に明け暮れる姿を描いたもの。
岡山中学の名物男南部麒六、
先輩の「すっぽん」に喧嘩道を教えられ、OSMS団に所属、関中のカッパ団と対決、キロクの暴れぶりは凄まじく、この喧嘩で忽ち副団長となった。
一方、下宿先の娘道子に惚れるが、からっきしダメ男。
軍事教練にきた教官に反発、岡山にいられなくなり、叔父のいる会津若松へ。
そこでも彼は権威に盾突き、より大きな暴力の渦へと呑み込まれていく。
全編喧嘩のオンパレードで、その映像の切れが良くて、まさに清順節。
当時のことゆえ、肥溜めにとっぷりつかりながらの乱闘など、アイデア満載。
最後は、二・二六事件の北一輝が出てきて、反戦と抵抗へとつながっていく。
高橋英樹が、当時23歳にして、旧制高校性を演じるという、年齢無視の大立ち回り。
下宿屋の娘を演じるのは、当時アイドル歌手の浅野順子。
まさに武勲を重んじる当時のバンカラぶりがむしろコメディタッチで描かれる。
昨今の暴力映画とは一線を画した懐かしい暴力映画だ。
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