おすすめ度 ☆☆☆
ピアニストを目指す女性ジュリアの人生を、些細な選択の積み重ねによって分岐した4つの展開で描いたドラマ。
フランス・パリ。音楽学校に通うジュリアはラジオでベルリンの壁崩壊のニュースを聴き、寮を抜け出し現場に行ってみようと仲間を誘う。将来を嘱望され、子どもの頃からピアノ漬けのジュリアは、羽目を外してみたくてたまらなかったのだ。夜、親友と共に部屋を抜け出した彼女は…。この辺から平行世界が展開されていく。パスポートを部屋に忘れて取りに戻り先生に見つかってしまうジュリアと、仲間たち(好きな男子ナタンも一緒)と共に壁に座り喜びを分かち合い、壁の前で思いを込めてピアノを弾きスクープされるジュリア。ポールと出会ったジュリアと出会わなかったジュリア。コンクールで賞を勝ち取ったジュリアと、失敗したジュリア。ベルリンで暮らすジュリアと、パリで暮らすジュリア。結婚や出産をしたジュリアとしなかったジュリア…etc。無限に存在する分岐点と、その数だけ存在するたくさんのパラレルワールドが交互に現れる世界は、まるで万華鏡のようで飽きさせない。
例え今に満足できていない人にとっても、どんな人生でも捉え方によって輝けるはず、どの選択や決断でもそれが私やあなたなんだと、優しく肩を抱いてくれるような作品だ。
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