おすすめ度 ☆☆☆
18世紀フランスで59年間にわたり在位した国王ルイ15世の最後の公妾ジャンヌ・デュ・バリーの波乱に満ちた生涯を映画化。
フランス革命の断頭台に立ったルイ16世の祖父に当たるルイ15世の時代が舞台となる。この人は愛妾が数多く艶福家と知られる。徳川家斉的な王様。封建時代は領主の血統が第一なので、こうなると歯止めがきかない。子だねの大砲を撃つのだが、ナポレオン戦争の大砲よりましか。
そのルイ15世の晩年期の愛妾ジャンヌ・デュ・バリーのお話。ベルサイユの薔薇ばかりの中、しっかり頭角を現わすのだからただ者ではない。
鏡の回廊での謁見で王に気に入られたジャンヌを待っていた、床入り前のえげつないボディチェック、王に背を向けてはならないという決まりから宮殿の人々に義務付けられるユニークな後退り方、朝、目覚めたばかりの王を待っていた健康診断と列をなす多くの訪問者たち、等々。随所に登場する珍場面はまさに目から鱗だが、王の侍従や娘たちによる根強い差別や冷徹な視線をもろともせず、王の愛だけを信じて自由奔放に突っ走るジャンヌ自身が、物凄い牽引力で物語を引っ張っていく。
ジャンヌ・デュ・バリーを演じるのは、監督その人・俳優マイウェン。
一方、ルイ16世を演じるのは、ジョニー・デップ、フランス語を駆使、渋い。
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