おすすめ度 ☆☆☆
探偵映画好き ☆☆☆★
フランスの名匠パトリス・ルコントが8年ぶりに長編映画のメガホンをとり、代表作「仕立て屋の恋」の原作者ジョルジュ・シムノンのミステリー小説を映画化。
巨漢をいかしてメグレ警視役に挑んだジェラール・ドパルデューがよい。
メグレが取り組むのは、血で染まったイブニングドレスをまとい、広場に放置された若い女性の殺害事件。データベースもDNA鑑定もない時代に、身元不明の変死体でしかなかった被害者の人物像が、検死と鑑識と地道な聞き込みという警察捜査の王道によって浮かび上がってくる。その過程を通して、正統派ミステリーらしい謎解きの妙味が味わえる。
夢を抱いてパリにやってきた地方の娘たちの哀れな末路に、現代の移民事情を被せてみることは容易だ。明暗、光と影を強調した映像にはそんな意味合いも込められていたのかもしれない。
メグレ警視の地道な捜査。
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