ひろの映画見たまま

映画にワクワク

NHK山田洋次が選んだ日本映画100選 喜劇編 川島監督の「幕末太陽伝」

2012-04-19 16:56:49 | 日本映画
1987年作品。

最近、デジタルマスター版が、劇場公開された。

若くして死んだ川島雄三の脂ののった作品だ。

日活が復活して3周年記念ということで、撮影所あげて力を入れた力作。

主役に、当時ドラマーだった、フランキー堺を起用。それが当たって、まことに器用に居残り屋を演じている。

脇にも、石原裕次郎、小林旭、二谷英明、芦川いずみなど、当時の日活を担っていた人々が。

女優陣では、南田洋子(最近、亡くなった長門裕之の妻で話題となった)と左幸子が劇中大喧嘩のシーンがあり、迫力がある。

物語は、「居残り佐平次」という落語を中心に、他の落語も絡めて、幕末の女郎屋を舞台に人生が描かれる。

一方、幕末の若き志士たちが女郎宿で決起するという、歴史物語でもある。

物語の主人公、佐平次は、金のないのに、女郎屋に上がり、散財して、あげく女郎屋の使い走りに居ついてしまうという話。

実に如才なくふるまう佐平次の人物像が、憎めずかといって、好きかと言われても。

テンポよく、いつも走っているような演出が、小気味よく最後まで付き合わせてくれる。

ただ、早口のセリフに聞きづらいところがあり、物語の展開が速いので、一度見ただけでは物語についていけない部分があり、ちょっとまいった。

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NHK山田洋次が選んだ日本映画100選 喜劇編 中島監督の「下妻物語」

2012-04-18 18:46:25 | 日本映画
2004年作品。

どうも、きゃびきゃび女と暴走族女が趣味じゃなくて、公開時はスルーしていた。

中島監督では、「告白」を先に見ている。これはよかった。

で、やはり、ロリータファッションいのちとヤンキーな暴走族の二人の高校生が主人公。

ただ、冒頭、うならされる。西洋のお姫様にあこがれるとあって、そのアーティスチックなこと。さらに、幾何学的な漫画で物語ったり、テレビ画面で昔を語らせるなど、奇才と呼べばいいのか監督を。

出身が関西とあって、親父は関西弁丸出し。関西こてこて物語も登場する。

一方、下妻は、百姓地帯、折角のお姫様スタイルも、牛糞を踏んではおしまいだ。

親父が、ばったもん販売を始め、ベルサーチなど一流ブランドの偽物を、娘はインターネットで売りだす。

それを知って、ヤンキー娘が現れ、それからは二人の友情物語だ。

ところどころに、気のきいたセリフが出てきて、それなりに人生を語っている。

深田恭子と土屋アンナの絶妙な演技で、ド派手な演出を補っている。

脇を固める役者たちもくせ者ぞろいで、最後まで引っぱっていく。

終わり近く、大立ち回りがあり、これでスカッとするかもしれない。

ただ、まあ、ちょっと苦手な映画だ。
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日本映画「日輪の遺産」、終戦間近の事件!

2012-04-17 16:05:00 | 日本映画
おススメ度 ☆☆

浅田次郎原作の映画化。

終戦間近、フィリピンで、マレーの虎と呼ばれた山下大将が持ち帰ったとされる連合国軍最高司令官マッカーサーの財宝を、ひそかに山中の極秘穴倉に隠蔽する指令を受けた将校たち3人と、それを手伝った女子学生たちの物語。

この物語を、生き残った男が死に、もう一人の生き残りのばあさんが、息子と孫に話すことから物語は始まる。

一方、終戦後来日したマッカーサーがこのことを知ったという話を、当時通訳だった男にインタビューする話が冒頭にある。

実在の陸軍大将たちの名前が使われていたり、マッカーサーが登場したり、なにか、実話のようだが、実話ではないらしい。

かなりミステリアスな物語だ。(あとネタバレ)




















この作業を手伝った、女学生たちを終戦の詔勅を聞いたすぐ後で、全員殺害するというショッキングな話まであって、がぜん興味がわくが、この映画、実話でないと知ってなえてしまう。

話の、そこここに無理があって、おまけに、現代の話が重きを置いて語られ、まして、女子学生たちの死骸がそのままに放置されているというおぞましい話だけが独り歩きしてしまう。

当然当時の状況で、集団自殺の可能性も考えられるが、少し無理があるようだ。

いずれにせよ、話が分散化して、思ったほどの感動を呼ばない。

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スペイン映画「フラメンコフラメンコ」、フラメンコの真髄!

2012-04-16 16:26:35 | 映画
おススメ度 ☆☆
     フラメンコファン ☆☆☆☆

全編これフラメンコ。

少し前、スペインを旅行した。

添乗員のつてで、通常は訪れないフラメンコを堪能したものだ。

そこは、アルハンブラ宮殿の裏側で、小さなホールがあり、そこで見たフラメンコは力強いものだった。まあ、ダンサーが若かったせいもあるが。それを期待して見に行ったが、

この映画は、ベテランと新進とが程よくバランスされ、むしろ、ベテランに重きがある。

さらに、ピアノやギターなど演奏のシーンも多く、期待した私のもくろみは、ちょっと外れた。

ただ、カルロス。サウラという世界的な巨匠の作品ということで、多くのベテランたちが参集してできた作品。出来として悪かろうはずはない。

ただ、音楽とダンスシーンで構成されているので、ナレーションもトークもなく、音楽に理解がなければ面白くないだろう。
コメント (3)
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韓国映画「昼間から呑む」、酒と女と旅!

2012-04-15 17:49:08 | 韓国映画
おススメ度 ☆☆☆

期待していなかったせいか、意外と面白かった。

これまた、低予算、新人監督の映画。

女に振られて、友達が慰めに酒をご馳走、翌日の旅を約束。

しかし、集合場所に誰も現れず、電話に誘われて、とりあえず目的地へ。

だが、そこから行き違いで、苦難の旅が始まる。

だが、なぜか、女が寄ってくる。

煙草くれませんか?

そして同じホテルの隣部屋。

まあ男も男、その言葉につられて???

まあ、一種のロードムービーだが、酒を進められて、いやいや呑む。

でも、酒の酔いは、何かを狂わせる。

優柔不断の男が、昼間から酒を飲んで、遭遇するちょっとしたトラブル。

周到に練られた脚本のせいで、なぜか憎めず引きこまれてしまう。(ネタバレ)




























女好きが災い、でもどこか勘違いが、展開をあやしくする。雪の残った山道に、ズボンを脱がされて放り出される。昨夜は何があったのか。酩酊のほか薬を飲まされた。

そして、助けてくれた男がゲイ。

さらには、親しそうにするおばさんに、クソ野郎といわれて、まあ、最低の出来事だが、最後は、凝りもせずの感じで終わる。

意外としぶとい韓国映画だ。
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イギリス映画「アリスグリードの失踪」、息迫るサスペンス!

2012-04-14 19:50:06 | イギリス映画
おススメ度 ☆☆☆
     ミステリーファン ☆☆☆☆

34歳新鋭監督の低予算映画、だって登場人物は3人。

舞台も、ほとんどが小さな家。

インテリアを買い込む二人連れの男。テンポよく買い物が進み、家の大掛かりな内装変更が、それは、女の子を監禁するための舞台。

そして金持ちの娘を誘拐、閉じ込め、父親に脅迫の画像を送りつける。

と、まあ、前半はテンポ良い誘拐事件。

そこから、二転三転の展開が、それは、三人の置かれた位置が関係してくる。
虚虚実実の展開、先が読めない。それは脚本のゆえか。

また、三人のキャラが実に面白い。誘拐された女の子(といっても結構大人だが)が逆襲したりして、それが又ひっくり返る。

まあミステリーファンにはたまらない展開だ。仕掛けも存分だ。
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アメリカ映画「スーパーチューズデー 正義を売った日」、大統領選です。

2012-04-12 20:05:30 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆

アメリカ大統領選をめぐる、政治サスペンス。

ジョージクルーニが、監督も務めている。

民主党の予備選。その山場がスーパーチューズデー、それを前にして海千山千の駆け引きが。

映画冒頭、選挙準備の舞台裏が描かれるが、大統領選にうとい当方にとっては、話のスピードの速さもあって、ちょっと辟易。

後半からは、話も単純化され、がぜん面白くなる。

演劇の映画化とあって、あまり大舞台での話はなくもっぱら裏話。要は、スカウトだの、首切りなど、海千山千なのだ。(あとは、ネタバレ)


















しかし、話の落ちが、不倫だとあっては、大統領選もこんなふしだらなものなのかとがっかり。ジョージクルーニーは、この役回りは人にさせられないと自ら演じたとか。

なかで、ライアン・ゴズリングの飄々とした演技が光ってます。
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NHK山田洋次が選んだ日本映画100選 喜劇編 周防監督の「シコふんじゃった」

2012-04-11 16:03:58 | 日本映画
いよいよ、日本映画百選の喜劇編が始まった。

今回は、周防監督の「シコふんじゃった」

後で作られた「シャルウイダンス」を先に見てるだけに、懐かしく感じた。

本木雅弘主演、彼のキャラが主人公にぴったり、かなりトレーニングして相撲体型にしたらしい。

ダメな大学相撲部の物語。と言ってスポ根ものでない。でもスポーツは勝負勝たなければ意味がない。

前半は、ダメな相撲部のだらしなさが、徹底して描かれる。

この映画は、喜劇なので、いろんなところで小ネタが披露される。

さらに、役者陣がよい。部長の柄本明、飄々と演じ、ただ、終わりの方ではきちっと相撲を教える。

キャプテンの竹中直人。うんこ芸など下品だが、まあ芸風だ。

さらに、外人留学生や、女性の相撲取り、ガリンぼの好青年、臆病なふとっちょ、とキャラはそろっている。

まあ、周防監督の若かりし頃の傑作だろう。

ただ、これだけの話だ。
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アメリカ映画「ドライブ」、クールなドライバーが、親子のために一肌脱ぐ!

2012-04-10 16:29:45 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆☆

トップシーンは、強盗の手助けをして、警察をまく、ドライブテクニックに酔わされる。

男は、同じ階の女性とエレベーターで一緒になり、そこから親しくなる。女性には息子がいて、父親は服役中だという。

男は、修理工場で働きながら、映画のスタントマンや、強盗のドライバーをつとめる。修理工場のオーナーは、彼をレーサーにしたがっている。

女性との仲が急速に近づくが、まもなく夫が出所。夫が多額の借金を負わされていて、そこから事件が。

女と子供のために、見ず知らずの男性が手助けをし、去っていく。そんな、古臭い話に惹かれていく。

ただ、映画は、かなり現代、そしてバイオレンス。話のつなぎがうまく、突然の展開に驚いてしまう。

主人公を演じるライアン・ゴズリングの渋さに参った。クールなのだ、優しそうで、事件が起こるたびの涙目のようで、でも、そのバイオレンスはすごい。そのギャップが何ともたまらない。(以下ネタバレ)





































男は、やくざ組織をも相手にして、しっかり、相手を倒していく。だが、男も傷を負う。

相手が、やませんだけに、その凄さはきつい。

最後は、風のごとく去っていく。

その後ろ姿は見せない。

でも、女と子供は守られた。

かっこいいヒーローだ。こんな男に弱い。



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フランス映画「アーティスト」、ほぼ白黒サイレント映画です。

2012-04-09 17:25:40 | フランス映画
おススメ度 ☆☆☆
     映画マニア ☆☆☆☆

本年度アカデミー賞5部門受賞のフランス映画。

ほぼ全編白黒、サイレント。

時代は、1927年。

白黒サイレント時代のスタージョージバレンティン。

その彼のサインをもらいに来たエキストラ志願の女性が、ひょんなことで、彼とのキスシーンを撮られ、ニュースに。

そんな彼女、ダンスが得意で徐々にスターへの道を歩む。

その2年後トーキー映画が登場。

しかし、アーティストを自認するジョージは、無声に固執、映画会社と決別。

一方、女性は、トーキー映画の主役として出世する。

そんな、出世する女性と、落ちぶれいく男性の物語。

一種の恋愛映画でもある。

白黒映画ではあるが、あちこちに工夫が凝らされ、一方、昔の映画へのオマージュも満載。映画ファンには見どころいっぱい。

でも、女性が男性のカムバックを支援するという、男女反対のストーリー展開も結構面白く、ひねりがみられる。

ただ、あくまで、その時代のラブストーリーで、それ以上のものではない。(ネタバレ)
































ラストは、トーキー映画、男性が復帰して、男女二人のタップダンスだが、往年のミュージカルを思わせ、これがドカンと来ると、ウルウルと来てしまう。演出の妙だ。ただ、一回こっきりで、もうちょっと見たい気持ちを誘って終わるのは、憎い。

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