10年前の西洗公園はササ茫々でした。昔、見るに見かねてササどりに挑戦したボランティアがいましたが、西洗自治会が書面でササどりをやめるようにそのボランティアに言ってきたそうです。そのボランティアは怒ってササどりをやめ、公園のことは二度と考えないと決心したそうです。その後の自治会は、事件の経緯がわからず、公園管理はなにか複雑な問題があるらしいということでササは放置されてきました。
今から6年前ぐらい、また見るに見かねて別のボランティアがササどりを始めました。この人は大変意志堅固な人で、毎日のようにササを根元からとっていきました。すると住民の中からササどり反対者が現れて、その人に直接作業をやめるように言ったそうです。もちろんその人はやめませんでした。反対者は港南土木事務所や自治会に訴えました。事務所は自治会に問題解決をゆだねたようです。自治会は住民のもめごとを嫌い、ボランティアに譲歩を求めたのですが、ボランティアはそれではササの繁茂は止められないと譲歩しませんでした。困った自治会は反対者も含め、周辺住民を集めて会議を開きましたが、意見が分れ、結論が出ず、自治会も結論を出さず、ボランティアはササをとり続けました。例の反対者は反対し続けましたが、ボランティアは反対者を無視してとり続けました。ボランティアの執念に負けたようで反対者は沈黙しました。
こうしてササどりが数年続き、今では西洗公園はササなしの美しい公園になりました。例のボランティアは今日も健在で、ときどき公園に顔を出し、再び伸びたササを見ると丁寧にササどりをやっています。自分が体が動かなくなってササどりができなくなったらまたササ茫々になると心配しています。
本来は公園は港南土木事務所が管理するのですが、ササどりなどの草取りは公園愛護会にゆだねているようです。しかし草取りは大変な仕事で、自治会の当番班が公園掃除を行う現在の愛護会の仕組みではなかなかできません。住民が高齢化しており、力仕事ができないからかもしれません。今後は愛護会は草取りボランティアを募集して、当番班と一緒に、あるいは独自に計画的に草とりを行うことがだいじと思います。例のボランティアにいつまでも依存することは不可能です。