それはないよ、コシオさん。
コシオさんは太極拳の仲間。私よりもちょっと、ううんずっと年上の方、体育館に入ってくるときは、入口できっちり礼をする律儀な方。
そのコシオさんちの前を通ったら、玄関前の庭をいじっていた。
「この葉っぱは腐葉土にはならんからのう」と言って落ち葉を集めている。お庭にはキクザキイチゲやニリンソウ、ホウチャクソウなどが出番を待っている。
「コシオさん、山野草好きなんだ。山とか行くの?」と私。
「いやいや私は山は怖くて駄目だっチャ。一人でなんてとっても行けえん」
「お父さんについて行った時も、お前は騒いでうるそうて困るって怒られたもんだが」
と、意外なことをおっしゃる。
「私は、蛇が嫌だのんや」
そりゃあ、蛇を好きな人はめったにおらせんが。私もほんとイヤだわ、ガサガサいうただけで、ドキッとするがね。なんて相槌打っていたら、
「それにの、木の枝にぶら下がっとるもんを見るのも嫌のんや」と突然面白いことをおっしゃる。
木の枝にぶら下がっとる?それって何?木の蔓とか何か?
「ほらさ、山で行方不明とか言ううねかや。私は第一発見者になりとうねえっチャ」とこうきた。もう大笑いしたね、笑いは止まらない。
「コシオさん、そりゃあないない、そんなことはありえないよ、そんなの聞いたことがない」とあまりの展開に必死で否定するのだけれど。
「おっかしいだろ」と言いつつ、「第一発見者にはなりとうねえもんだ」
と繰り返すからね、どんだけ想像力が豊かなのだろう。
それともなに、テレビの見過ぎか?コシオさん。
コシオさんは太極拳の仲間。私よりもちょっと、ううんずっと年上の方、体育館に入ってくるときは、入口できっちり礼をする律儀な方。
そのコシオさんちの前を通ったら、玄関前の庭をいじっていた。
「この葉っぱは腐葉土にはならんからのう」と言って落ち葉を集めている。お庭にはキクザキイチゲやニリンソウ、ホウチャクソウなどが出番を待っている。
「コシオさん、山野草好きなんだ。山とか行くの?」と私。
「いやいや私は山は怖くて駄目だっチャ。一人でなんてとっても行けえん」
「お父さんについて行った時も、お前は騒いでうるそうて困るって怒られたもんだが」
と、意外なことをおっしゃる。
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「私は、蛇が嫌だのんや」
そりゃあ、蛇を好きな人はめったにおらせんが。私もほんとイヤだわ、ガサガサいうただけで、ドキッとするがね。なんて相槌打っていたら、
「それにの、木の枝にぶら下がっとるもんを見るのも嫌のんや」と突然面白いことをおっしゃる。
木の枝にぶら下がっとる?それって何?木の蔓とか何か?
「ほらさ、山で行方不明とか言ううねかや。私は第一発見者になりとうねえっチャ」とこうきた。もう大笑いしたね、笑いは止まらない。
「コシオさん、そりゃあないない、そんなことはありえないよ、そんなの聞いたことがない」とあまりの展開に必死で否定するのだけれど。
「おっかしいだろ」と言いつつ、「第一発見者にはなりとうねえもんだ」
と繰り返すからね、どんだけ想像力が豊かなのだろう。
それともなに、テレビの見過ぎか?コシオさん。