田んぼのあぜ道、畑のかたすみ、野原・・・
春の野草はどの花もかわいいけれど、中でもたんぽぽにはことのほか懐かしい思い出がよみがえり、
つい、目を止め足を止める。今や雑草と化して、そこここに咲いているのにね。
王道のタンポポ
小学校低学年の頃だったと思う。
私が住んでいた佐渡の両津はそれでも街中だったので、土の道とはいえたんぽぽはそんなに咲いていなかった。
町内の子どもたちは、早く雪が融け春になって、両手いっぱいになるほどのたんぽぽを摘みに行くのを
それはそれは楽しみにしていたもので。
摘んだたんぽぽは束にして竿にかけて干し、茎をからからにする、ぺしゃんこにする。
たんぽぽの茎って中が空洞になっているのね。
茎がからからになると、息を吹き込み茎を膨らませるわけ。
そして、膨らんだ茎を前歯で弾き、かんかんと音を鳴らして遊ぶのよ。
たったこれだけの遊び、楽しみ。
でも、長い間雪に閉じ込められて外遊びはできず、暖かくなる春を待ちかねていた子供たちにとってはとても嬉しい
遊びで、保育園の子から高学年の子までうち揃って遠出したのよ。
たんぽぽが咲き乱れている街の外れの野原まで。
今から思うとよくそんな遠くまで、親にも告げず子どもたちだけで出かけたものだと感心するけれど。
そんな懐かしい思い出が色濃く残っているから、たんぽぽを見るとざっと通り過ぎることはできないわけ。
*シロバナタンポポ
陽が高くなってくると
小さな虫もあいさつしています
逆光浴びている姿も くたっと寝転んでいる姿も好きです