もちろん我ら夫婦のことである。1号は夫、2号は私。
私はほんとはそこまで行っていないと思ってるが、そこはそれ夫婦だからいちおう(内緒)。
もうね、ひどい空っぽ頭でして。
前のこと、産地偽装あさりのニュースを見ていて、夫がいつもの蘊蓄を。
安芸の宮島のあさりは、大鳥居の内側は神社のものだから獲ってはいけない、
獲るなら大鳥居の外側からだ、なんて真偽のほどが分からない話を披露した。
「ところでさ、あの宮島のあの神社、なんて名前だったっけ」って私。
浮かばないのよ、頭真っ白になって二人とも目を白黒。どうしても思い出せない。
婿さんの出身地なのに、娘たちはその神社で結婚式を挙げたのに、なんたることだ。
「検索すれば」なんて情けない話になって。そうだ「厳島神社だったわ」と、はあ。
ピーマンの由来ね。
認知症記憶力テストで野菜の名前を10以上あげよ、というのがあるんですって。
聞きつけて毎晩夫にテストをしていた。
だってね、免許更新のその手のテストでぎりぎりの点数なのよ、聞いてびっくり仰天。
それなのに夫は「テストが悪い」って言い張って。こりゃ駄目だ、分かっとらんって。
そんなことをゲーム感覚でしてみたわけ。
「ピーマン」をあげて「俺の頭みたいだ」と言うから、その通りとあだ名をつけた。
野菜テストで名前が出てこないと私は「俺の頭」とヒント出す。
夫は「ピーマン」と。大正解よ、さっと出てくる。そんなわけでして。
夫の記憶力減退事例は枚挙にいとまがない。
カーリング試合だって自分がずっと観戦していて点差まで言ってるのに、
「どこと対戦してたんだっけ」と訊くから呆気に取られてしまったわ。
郵便局に行ってくるわと言ってあったのに、支度をしていると「買い物か」だって。
もう完全に認知症だね。『ボケ日和』の長谷川医師いうところの認知症春の段階だ。
しかたないわ。もう少ししたらアキヤマ脳神経外科受診だ。
でもまあ、
今のところ薬の飲み忘れや飲み間違いはないし、病院もひとりでさっさと行くし、
外出先から迷わず帰ってくる。カブの運転も車の運転も慎重だ。洋服も変な着方しない。
記憶力のほかはまだ正常のようだから、まあいいとしている。なるようになれだ、いっか。
そして、今までしなかった食料品の買い物に行ってもらい、靴下など自分の身の回りの
買い物も自分でしてもらう。少しでも刺激があれば、と思ってね。
昨日は、帰り道迷うだろうことは承知で舞岡公園まで送ってもらった。
案の定道に迷ってカーナビを頼りに帰ったそうだ。でもでもやればできるじゃないの。
やっぱり洗濯物をたたむこともやってもらおう。
夫のことばかり言ってられない。私も思い当たることは多々ある。掃いて捨てるほど。
こうなったら、ピーマン1号ピーマン2号でやるっきゃないわね。
できるだけ認知症春の段階で留まっていられるようにしなければ。と今のところ。
後は野となれ山となれ。考えても無駄なことは考えない、と開き直る。