Wordで作った自作カレンダー7月。季節感0。
ひたすら草彅剛さんの映画「ミッドナイトスワン」の写真をお借りして作成よ。満足。
数々の賞を受賞したけれど第44回日本アカデミー賞の作品賞と最優秀主演男優賞受賞を
記念しての意味もあって作ったわけ。
で、今度はつい最近も「青天を衝け」の慶喜公演技でギャラクシー賞個人賞受賞。
司馬遼太郎著『最後の将軍』2年位前に読み、下書き保存しておいた。
(もしかすると他から拝借した慶喜もまじっているかもしれない)
感動したのに感想は手に負えないからメモメモでそのままだったのよ。
右は弟昭武
小説の中での登場人物の《慶喜像》抜き書き。
水戸の藤田東湖は当代の名士である。特に人物眼をもって知られた。
その東湖がひそかに慶喜を非凡の英物と見ぬき、むしろ慶喜のためにそれを恐れ、手紙にしたためる。
「おそらくあの御方の御英気、後才気がお身の上のわざわいになるかもしれぬ。英気あれば
かえって反撥がおこり、おもわぬ連中にお足をひっぱられることになる。今後は、御臍の下に
御英気をお貯えになり、おもてむきはご謙遜、寡黙を専一になさるよう御教え申しあげよ」
と忠告した。おそるべきは人の讒(ざん)である、と東湖は言う。
会津公 松平容保
慶喜の根は存外徳川家の忠義者であることを信じていた。
ただ才華があふれ、権謀が多すぎ、頭脳の回転が常人よりも早すぎ、かつその進退の計算が深く、
演技がありすぎることが、愚者たちにこの男を妖怪のように見せているだけだということを
容保は知っている。
松平春嶽の見方。
「あの方は、俗にいうねじあげの酒飲みである」
とあたらしいあだなをつけたのは、将軍相続について慶喜を説得しつづけている松平春嶽。
「あの方はそれ、俗に申すねじあげの酒飲みにて、十分ねじあげられてから、
お請けなさるのであろうとおもいます」と春嶽はいった。
慶喜
「気は進みませぬが、これだに継がぬとなれば、先祖に対して、不幸でござる。
情において忍びず。不肖ながら、宗家の家督を継ぎます」
将軍職を絶対につがぬということでもなさそうである。
謹直な松平容保でさえ、つぶやいた。
「春嶽殿の申されしごとく、あの御人はねじあげの酒飲みかもしれませぬな」
参内からわずか六日後、長討ち大討込をやめると言い出し、京都政界をぼう然とさせた。
最も愚昧な将軍でさえなさなかった愚行を、慶喜は連続的に演じている。
春嶽は、「つまるところ、あのひとは百の才智があって、ただ一つの胆力もない。
胆力がなければ、智謀も才気もしょせんは猿芝居になるにすぎない」といった。
ーわれは、将軍職をこのまず。
ということを、慶喜はこの間、世間にむかってくどいほど言い、その演技をした。
慶喜はあたらしい行動に入るとき、つねに逃げ場所を設定してからでなければ入らない男であった。
小心と剛胆が、一人格のなかに複雑に綯いまざっていた。
(慶喜公写真はネットより)
こんな慶喜を演じた草彅さんは、放送批評懇談会が選定する第59回(2021年度)ギャラクシー賞の
テレビ部門・個人賞を受賞。その選評。
「実力派俳優として評価の高い草なぎ剛さん。2021年はNHK大河ドラマ『青天を衝け』で、
強く心に残る徳川慶喜像を見せてくれました。
内面がにじみ出る表情や静かに抑制されたせりふなど、草なぎさんの繊細な演技により、
これまで光を当てられることが少なかった謎多き江戸幕府最後の将軍がひとりの人間として
立ち上がりました。『慶喜はこういう人だったのかも』と思わせ、
後世に残る徳川慶喜像を作り上げた見事な表現力に敬意を表し、個人賞を贈ります」。
選考委員の永麻里さんのTwitter
徳川慶喜公を生きた人にしかできない表情を浮かべ続ける草彅剛さん。
心の内に抱えた想いを抑え静かな迫力を湛えた草彅慶喜に息を飲み、
その表情を見逃すまいと目が釘付けになった。
草彅さん自身はいつも「つかみどころがない感じに演じようと思っています」
と話していたけれどね。いずれにしても、草彅さんの演技が認められたことは
長年のファンとしては嬉しい。
ことしの大河ドラマ?観ていません、はい。
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