おはようございます。
上野の森美術館で開催されてるフェルメール展。生涯作品35点(37点説もある)のうち、9点が上野に集結するという空前絶後(多分)の展覧会である。しかしながら、9点が同時に飾られるということはなく、ぼくがオープン直後の10月に訪ねたときは8点で、”取り持ち女”だけ、翌年、1月9日から展示ということであった。やはり、9点すべて見なければ空前絶後の展覧会を見たことにはならない。で、1月9日の初日に決行した。
本展は予約制であるが、当日券もないわけではない。いちかばちか、もし長蛇の列であれば、また後日、予約してから出直そうと思っていた。それが、なんとなんと、待ち時間ゼロ、ゆうゆうと入場できたのでありまする。
西日を浴びるフェルメール展の看板。この時間帯に入場。
目指すは”取り持ち女”
フェルメールルームへ直行!そして、めでたく、取り持ち女の前に。展示品の中では、”マルタとマリアの家のキリスト”と並ぶ、最大級(143x130cm)のサイズ。見応えがある。日本初公開だが、実は2013年にドレスデン絵画館、またの名を古典巨匠絵画館(アルテ・マイスター)で見ている。だから5年振りの再会ということになる。
初期作の一つで、それまでの宗教画から脱し、はじめて描いた風俗画。女が今まさに客から金貨を受け取ろうとしている場面。彼女を明るく照らす光、表情や手の動きなど、後にフェルメールが確立する表現の萌芽がすでに散見される、という。右下には画家のサインと共に制作年(1656)も書かれている。左端の人物はフェルメール自身という説もある。
この作品をじっくり見て、あとはさらり。さらりと言っても、前回より空いていたので、十分、楽しめた。ただ、ここでも9点揃いで見られることはなく、赤い帽子の女(ワイントン・ナショナル・ギャラリー所蔵)がいなくなっているので、8点は変わらない。フェルメールファンを二度来させる作戦かも(笑)。
せっかくだから、この絵を所蔵するドレスデン絵画館(古典巨匠絵画館/アルテ・マイスター)のことを思い出してみよう。ベルリン国立美術館と並ぶ、ドイツ有数の美術館である。コレクションの多くは、お妾さん100人を従えたという(爆)、あのアウグスト強王による。ツヴィンガー宮殿の一画にある。すごい作品群である。このときの鑑賞記録はここに。
これで、フェルメール展の9点制覇を成し遂げたので、以下に、残りの8点もすべて、再展示したいと思います。画題、製作年は諸説あります。写真はフェルメール光の王国展(リ・クリエイト版)で撮影したものです。
マリアとマルタの家のキリスト(1954-55)スコットランド・ナショナル・ギャラリー
牛乳を注ぐ女(1658-60)アムステルダム国立美術館
紳士とワインを飲む女(1658-60)ベルリン国立美術館
真珠の首飾りの少女(1664)ベルリン国立美術館
窓辺でリュートを弾く女(1664)メトロポリタン美術館
手紙を書く女(1665-66)ワシントン・ナショナルギャラリー
赤い帽子の女(1666-67)ワシントン・ナショナルギャラリー
手紙を書く女と召使い(1670)アイルランド・ナショナルギャラリー
それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!