昨日、トーハクで岩佐又兵衛の”故事人物図屏風”に出会った。どんな場面なのか諸説あるとのこと。紀貫之の”蟻通”とか源氏物語の”桐壺”の場面とか。
故事人物図屏風(一部) 暴れ馬をなだめる
又兵衛と源氏物語と言うと、先日、出光美術館でみてきた”源氏絵と伊勢絵展”。その玄関口で登場するのが、岩佐又兵衛描く、源氏、伊勢、両物語の主人公、光源氏と在原業平。
左が”業平図”で右が”源氏物語/野々宮図”。こうして並んで観たことは初めてかもしれない。どちらも出光美術館所蔵で、”源氏絵と伊勢絵展”だからこそ可能になった世紀のツーショット(おおげさかな)。それも片や、(墨線のみの)”薄墨桜”、こなた、(淡彩の)ちょと色づいた”山桜”風というのも良い。又さん(気安く呼ぶなって、言われそう)、はじめからこうして展示されるのを見越して描いたのではないかと思わせる。これからセットで”又兵衛桜”と呼ぶことにしよう。
ここで、しばらく立ち止まり、第3章で、また又さんの”伊勢物語くたかけ図”で立ち止まり、一通り見てから、また、はじめに戻り、ご挨拶と、今回のメインゲストの没後400年の土佐光吉どんをないがしろにしてしまった。
伊勢物語くたかけ図
業平は、見た目に優れ、自分勝手なふるまいをし、世間の常識に従わない。漢学はダメだが、和歌に秀でてた、と”日本三代実録”に書かれているそうな。また、これらの絵が描かれた頃の源氏物語の解説書は、”(光源氏の)好色の事は、在中将(=在原業平)の風をまなべり”とあり、二人に似た性格を見ることは、当時の知識人の常識だったようだ。
展覧会の構成はこうなっている。
1.貴公子の肖像/光源氏と在原業平
2.源氏絵の恋のゆくえ/土佐派と狩野派
3.伊勢絵の展開/嵯峨本とその周辺
4.物語絵の交錯/土佐光吉の源氏絵と伊勢絵
5.イメージの拡大/いわゆる〈留守模様〉へ
留守模様(人物がいなくても物語を連想させる景色)の代表として、抱一の”八つ橋図屏風”が展示されいる。その1週間ほどあと、根津美術館で光琳の燕子花図屏風をみることになる。
光琳と抱一の八つ橋図屏風を並べている写真から。光琳のはMET所蔵。
又さんの作品のほか、うつくしい屏風もたくさんあって、華やかな展覧会だった。そうそう、出口近くに、ひときわ目を引く古染付が控えていた。次回は古染付展だそうだ。
故事人物図屏風(一部) 暴れ馬をなだめる
又兵衛と源氏物語と言うと、先日、出光美術館でみてきた”源氏絵と伊勢絵展”。その玄関口で登場するのが、岩佐又兵衛描く、源氏、伊勢、両物語の主人公、光源氏と在原業平。
左が”業平図”で右が”源氏物語/野々宮図”。こうして並んで観たことは初めてかもしれない。どちらも出光美術館所蔵で、”源氏絵と伊勢絵展”だからこそ可能になった世紀のツーショット(おおげさかな)。それも片や、(墨線のみの)”薄墨桜”、こなた、(淡彩の)ちょと色づいた”山桜”風というのも良い。又さん(気安く呼ぶなって、言われそう)、はじめからこうして展示されるのを見越して描いたのではないかと思わせる。これからセットで”又兵衛桜”と呼ぶことにしよう。
ここで、しばらく立ち止まり、第3章で、また又さんの”伊勢物語くたかけ図”で立ち止まり、一通り見てから、また、はじめに戻り、ご挨拶と、今回のメインゲストの没後400年の土佐光吉どんをないがしろにしてしまった。
伊勢物語くたかけ図
業平は、見た目に優れ、自分勝手なふるまいをし、世間の常識に従わない。漢学はダメだが、和歌に秀でてた、と”日本三代実録”に書かれているそうな。また、これらの絵が描かれた頃の源氏物語の解説書は、”(光源氏の)好色の事は、在中将(=在原業平)の風をまなべり”とあり、二人に似た性格を見ることは、当時の知識人の常識だったようだ。
展覧会の構成はこうなっている。
1.貴公子の肖像/光源氏と在原業平
2.源氏絵の恋のゆくえ/土佐派と狩野派
3.伊勢絵の展開/嵯峨本とその周辺
4.物語絵の交錯/土佐光吉の源氏絵と伊勢絵
5.イメージの拡大/いわゆる〈留守模様〉へ
留守模様(人物がいなくても物語を連想させる景色)の代表として、抱一の”八つ橋図屏風”が展示されいる。その1週間ほどあと、根津美術館で光琳の燕子花図屏風をみることになる。
光琳と抱一の八つ橋図屏風を並べている写真から。光琳のはMET所蔵。
又さんの作品のほか、うつくしい屏風もたくさんあって、華やかな展覧会だった。そうそう、出口近くに、ひときわ目を引く古染付が控えていた。次回は古染付展だそうだ。